医療広報誌は、病院の“顔”としてさまざまな情報を広報しています。そのため、広報誌は「病院の記録」として保管されることもしばしば…。病院広報誌に写真が掲載された本人にとって、思い出にもなるせっかく場面で、「ネクタイが曲がっていた」「歯に口紅がついていた」などの不適切な掲載してしまい、逆に嫌な思い出になってしまった…なんてことにならないように、写真撮影の際はしっかりを気を配る必要があります。
撮影される方は自分の姿は見れません。病院広報誌担当者のあなたがチェックしてあげましょう。今回は人物写真の撮影の際、病院広報担当者として気を配るべきポイントをご紹介します。
撮影の前に、まずチェックしよう!
1 上着のポケットに物は入っていませんか?
2 スーツや白衣の襟は曲がっていませんか?
3 発行時期の季節とスーツなどの素材は合っていますか?
4 肩にゴミなどはついていませんか? 眼鏡は汚れていませんか?
5 院内用ピッチや、名札、聴診器などは外していますか?
6 衣服に不適切な汚れがついていませんか?
1~4のチェックポイントは、病院広報誌でなくとも会社の写真撮影などで気をつける項目として一般的です。
病院広報誌の場合、気をつけたいのが5と6のチェックポイント。たとえば医師や看護師の方がよく首から下げている院内用のピッチ。首から下げるためのホルダーが赤色の場合は要注意です。赤色は血を連想させてしまうため必ず外してもらいましょう。また名札をつけても写真掲載の大きさによっては名前が見えない場合があります。名札が傾いていたり、人によって付け方が違っていたりと、あまり綺麗に写らないことが多いため、外していただいた方がベター。聴診器は治療中の雰囲気を出したい写真の場合はつけたままで問題ありませんが、ご挨拶に添える広報用写真の場合は外して撮影してください。
チェックポイントの6番についても要注意。医師や看護師の場合、白衣などに血やシミがついている場合は着替えていただく必要があります。患者さんや地域のかかりつけ医なども見る病院広報誌では、清潔感が重要です。
男性の撮影時に気をつけたいポイント
・上着の一番上のボタンは締まっていますか?
・ネクタイは曲がっていませんか?
女性の撮影時に気をつけたいポイント
・前髪が目にかかっていませんか?
・歯に口紅がついていませんか?
撮影される側は緊張しているものです。これらのチェックや服のお直しをしながらコミュニケーションを取って緊張をほぐしてあげましょう。
病院ならではの写り込みに注意! 背景にこんなものが写っていませんか?
さまざまな人が行き交う病院では、撮影した写真の背景にさまざまなものが写り込んでしまう場合も…。以下のものが写真に写り込んでいないか確認しましょう。
・カルテなどの個人情報
・血のついたガーゼや注射器などの、使い終わった医療器具
・撮影許諾をとっていない患者さんのお顔
・生々しい治療の様子
カルテなどの個人情報はもちろんですが、壁に掛けられたままのMRIやレントゲン写真などにも注意が必要です。また使い終わった医療器具なども綺麗に片付けてから撮影しましょう。これらが写り込んだまま、広報誌に掲載されてしまった場合「カルテや医療器具などの管理が悪い」と思われてしまう可能性があります。
また、撮影許諾をとっていない患者さんや、一般の方が見て「生々しい」と思う治療の写真も掲載を控えましょう。「生々しい」写真は、メディカルスタッフの方は見慣れてしまっているため問題ないかもしれませんが、広報誌は一般の方もご覧になります。病院広報の担当者として血が写り込んだ写真の取り扱いには一般の方の目線を意識した配慮が必要です。
背景にどうしても患者さんが写り込んでしまう場合は、背景をボカすように撮影しましょう。個人が特定できなければトラブルは回避できます。また、個人が特定できる写真の場合でもモザイクなどをかければ使用できますが、ご本人に一声掛けておくのがマナーです。
覚えておきましょう 人物撮影のタブー
人物撮影の際は、撮影場所の背景にも気をつかいましょう。背景によっては縁起が悪いとされている「串刺し」や「首きり」などの構図になってしまうこともあります。
串刺しとは?
背景の壁の切り替えや観葉植物や電柱などが、顔の中心を通って縦方向に伸びている場合「串刺し」に見えてしまうことがあります。こういった写真のことを「串刺し写真」と呼びます。
首切りとは?
窓の枠や棚など、首のあたりで背景の大きな切り替えが水平方向に横切る「首斬り写真」もタブーとされています。
「串刺し」や「首きり」などの構図は、しない間に撮影していることも多いので、十分に気をつけましょう。
いかがでしたでしょうか? 今回ご紹介した人物写真の撮影ポイントを押さえて撮影してくださいね。