BLOG 『広報誌づくりの困った!を解決』

病院の顔である医師の先生に広報誌へ登場してもらえば、とても有力なPRコンテンツになります。しかし医師の先生はいつもご多忙で、取材依頼が難しいと感じている広報ご担当者様も多いのではないでしょうか。

たしかにご多忙の中、取材のスケジュールを押さえ、当日の取材を滞りなく終わらせるのは簡単ではありません。しかし、そこにはいくつかのコツがあります。

今回は「広報誌の巻頭企画として、写真付きの巻頭インタビューを依頼する」という名目で、依頼やセッティングの方法を見ていきましょう。

 

①「直接会って話す」。熱意の伝わる依頼に

どの取材でも、取材依頼で最も必要なのは「熱意」です。

なぜその先生に依頼するのか、相手に伝わる説明ができるよう整理をした上で、直接会って話すことが肝心です。単なる病院のPRではなく、先生の取材記事は患者様にとって有益な情報となり、患者様に役立つものである、だからご登場いただきたい、ということを伝えれば、先生も協力的な姿勢になりやすいでしょう。

その熱意は書面だけのやり取りではなく、たとえ数分でも面と向かって話した方が伝わりやすくなります。また、「担当者が自分である」ということを先生に覚えてもらえば、この後の記事公開に至る流れでも、校閲のお願いなどがスムーズに行きやすい、というメリットがあります。

なお、口頭で依頼をする場合でも、後で先生が取材概要を確認する際に必要になるので、日時・趣旨・質問項目案などを記した依頼要綱の書面だけは忘れずに持っていきましょう。

 

②取材は「楽しいイベント」だと思ってもらう

取材は堅苦しいものではなく「楽しいイベントのひとつ」と思ってもらうことが肝要です。

もちろん、実際の取材では、脱線した話ばかりになってはいけませんが「カジュアルな雰囲気で話をしてもよい」と思ってもらうことは、取材承諾のハードルを下げることに役立ちます

そのためには、質問項目に先生個人の生い立ちや、最近の趣味などを質問項目として盛り込むなどすることが有効です。「自分という人に興味を持ってもらえている」と思うことで、取材を受ける側は気が楽になります。また、自分の生い立ちや趣味は考え込まなくても答えられるので、カジュアルな受け答えがしやすくなります。

また、取材場所を会議室のような閉鎖的な空間ではなく、カフェテリアなどの場所に設定することも「ざっくばらんに話せそう」という印象につながります。

なお、具体的な誌面イメージを用意しておくことは重要です。自分のインタビュー記事が掲載される誌面が、一目で「かっこいい」と思えるものであるかどうかは、モチベーションにも影響します。精度の高いデザインが施された誌面があれば、先生も掲載後のイメージが湧きやすくなり、依頼を受けることに前向きになれるでしょう。

 

③時間には十分すぎるほど気を配ったセッティングを

病院では、緊急対応がつきもの。それだけでなく、勤務が不規則な医師の先生も少なくありません。取材を行う側で、できるだけ先生の都合に配慮することが必要です。スケジュールは可能な限り事前に確認し、たとえば手術日を避けるなど、先生の負担を十分に考慮しましょう。

また、患者様への突発的な対応で、当日の取材時間に先生が不在、という事態もありえます。そのような時でも、事前に「取材時間は30分程度」などと必要な時間を伝えておけば、当日別の時間帯での振り替え交渉がしやすくなります。

また、①で触れたとおり、依頼要綱に取材時間や趣旨、質問項目の案などを記載しておけば、取材時間を効率的に使えます。そうすることで、先生も可能な限りの準備をしておくことができます。少なくとも「この質問にはあんなことを答えよう」と先生があらかじめイメージできるので、取材の場で考え込み、時間がかかることを防げます

 

④「ここでしか撮れない」場所を厳選して写真撮影を

インタビュー記事で重要なのは文章だけではありません。メインで掲載する写真も、読者に強い印象を残します。

先生の魅力を最も強く引き出す場所での撮影が望ましいことは、言うまでもありません。内科の先生であれば診察室での撮影や、病棟を回っている様子のほか、外科の先生であれば、実際に手術で執刀中のお姿を撮影することは難しくても、術衣を着た様子や、手術の器具を手に取った様子を撮影させてもらうことはできるかもしれません。

撮り方も、カメラ目線であれば、「先生がこちらを意識的に見ている」と思わせることができ、読者へのメッセージ性が強くなります。反対に、目線を外した作業中の写真であれば、読者が先生と同じ場にいるような臨場感を演出できます

重要なのは、写真撮影の場所とインタビューの場所は、必ずしも同じでなくてよい、ということです。

本記事の②では、取材場所をカフェテリアにすることもよい、と記しましたが、これはあくまでインタビューの話。病院敷地内であれば、メインカットの撮影のみ、別の場所で行うことも、先生に依頼する余地はあるでしょう。

場所の移動を伴う場合は、そこも含めて先生に事前に伝えておくことと、必要であればその場所の管理者の許可を得ておくことが重要になります。読者の目が最初に行くのは、誌面に大きく掲載される先生の写真です。しっかりインパクトを与えられるよう、撮影場所にもこだわっていきましょう。

 

 

医師の先生の想いや活躍ぶりが伝わるインタビュー記事は、とても見栄えのする、読み応えのある企画となり得ます。

スマートなセッティングで、最良のインタビュー記事を生み出しましょう!