4月は病院にとって、新たな研修医が働き始める時期です。広報誌で研修医の紹介を行うケースも多いでしょう。
自信を持って、当院の期待に満ちた研修医を紹介…しかし、実際に患者が病院を受診した際、担当が研修医だと聞けば「大丈夫かな?」と思ってしまうものです。できれば経験豊富な医師に診てほしいというのが、受診する側の本音でしょう。広報誌で研修医を紹介する際は、患者のそのような不安や不信感を減らすことができる内容にするのがポイントです。ここでは、研修医紹介で気をつけたほうがよいことを押さえていきましょう!
いい例:客観的な医師の評価を伝える
研修医の熱意溢れるメッセージを広報誌で伝えても、それが患者の安心にすぐに結び付くことはありません。患者に安心してもらうためには、客観的なわかりやすい評価を伝えましょう。
たとえば、指導医からの推薦コメントを付けるのはいかがでしょうか。専門的な知識量などの能力面や、真面目な勤務態度、熱心に学ぶ姿勢などの人柄について、責任ある立場の医師からの評価コメントを研修医のプロフィールに添えるだけでも、不安や不信感を低減することができます。
また、少し経験を積んだ段階であれば、患者から「ありがとう」と言ってもらえたエピソードを紹介することもよいでしょう。病棟の回診を続ける中で、入院患者と心を通わせるようになり、退院時にお礼を述べられた、というような事例があれば積極的に紹介しましょう。患者に安心感を与えることができ、その患者から頼りにされたというたエピソードから「患者に寄り添ってくれる医師」というよいイメージを伝えることができます。
悪い例:素直すぎてイメージダウン
今後の意気込みとして、一言コメントを掲載する際は「まだまだ浅学ですが、しっかり勉強していきます」といった内容の掲載は避けましょう。学ぶ姿勢を示すつもりでも、患者は「浅学」な医師に診てほしいとは思いません。謙遜する言葉はここでは控えましょう。
また、どの診療科に進むか迷っている研修医のプロフィールに「希望する診療科:特になし」と記されているケースもありますが、これも「真剣に診察してもらえない」イメージにつながってしまいます。研修医の希望する診療科が決まっていないケースは珍しくありません。「希望する診療科」よりも「もっとも関心のある診療科」などに質問を変えるとよいでしょう。
「研修医が担当だけど、大丈夫かな…」という不安をなくすことができれば、患者も安心して研修医の診察を受けやすくなります。
フレッシュな医師が加わることは病院にとって明るい話題です。「不安を減らす」をテーマに、積極的に紹介していきましょう!