病院広報誌の制作を進めていると「もっとスムーズに、よい誌面にしたいのになかなかうまくいかない」と行き詰まってしまうことがあるかと思います。
今回は広報誌制作で抱えがちなお悩みについての解決法をご紹介いたします。
■お悩み1
医師から受け取った原稿をもとにレイアウトを完成させてから確認してもらったところ「イメージと違う」と言われて修正を余儀なくされるケースがよく発生してしまいます。デザイナーにも負担をかけてしまい、困っています。どうすればよいでしょうか。
■解決法
「イメージラフ」で仕上がりイメージを共有しよう
医師の皆さまは誌面レイアウトに関してはあまり詳しくない方がほとんどです。ですので、レイアウトに進める前に、イメージが分かる「イメージラフ」や、イメージに近い雑誌のページを共有し「こんなレイアウトで進めていきます」ということを伝え、了承を得ておくとよいでしょう。
「イメージラフ」は、誌面のどこに、どれくらいの大きさで写真が入るのか、どれくらいのボリュームで文章が入るのかをざっくりと示したものです。もちろん手書きでもかまいません。
いくつか提案してもよいですが、それぞれの案について「どうしてこのレイアウトにしたのか」を説明できるよう判断材料を用意しておくことで、決めてもらいやすくなります。
■お悩み2
医師が書いてくださった原稿が、こちらの意図したものとは違うものが上がってきてしまいました。とはいってもせっかく書いていただいたので、掲載しないわけにはいきません。これからどのように原稿をもらうようにすればよいでしょうか。
■解決法
原稿作成依頼状を用意しましょう
原稿を書いていただくのにあたり「どんな文章がほしいのか」を明確に示した「原稿作成依頼状」を作成し、医師に共有しましょう。依頼状には、次の3点を必ず押さえておきましょう。
1. 掲載誌の概要を伝える
どのような媒体に掲載するのか、掲載誌の概要を伝えましょう。病院広報誌であれば患者が対象ですし、地域医療連携向けの広報誌であれば地域の開業医が対象となり、書く内容も変わってきます。
2. 書いてほしい内容について具体的に伝える
「褥瘡について」と依頼を出しても、手術方法や体圧管理など、いろいろな切り口があります。「褥瘡の在宅介護の範囲でできるケアについて」と具体的に示すことで、意図した原稿を書いてもらえます。
また、多忙で原稿作成の時間を十分に用意できない医師に対しては、質問をいくつか用意して「一問一答形式」で答えられるようにすることで、スムーズに原稿をいただけるかもしれません。
患者さまが耳慣れないであろう専門用語がある場合は、こちらで注釈をつけて解説するとよいでしょう。
3. 文字数を決める
文字数の指定がないと、原稿が少なすぎたり、多すぎたりと、調整が必要となってきます。どんな誌面にしたいかあたりを付け、大まかでよいので文字数を換算しましょう。
■お悩み3
医師の顔写真を撮影しても、素人なのでどれもイマイチな写真になってしまいます。医師の写真を撮る際のコツを教えてください。
■解決法
場所・表情・服装の3つをポイントに撮影しよう
まずはどんな雰囲気で撮りたいかを決めましょう。院長挨拶用でも
・院長室の椅子に座り、背景に書棚や生けた花が見え、朗らかな笑顔でカメラ目線
・診察室の椅子に座り、真剣な表情で診察している様子
では、受ける印象が違いますよね。イメージを固めれば、撮影する場所、表情も決まってきます。
最後に、気を付けてほしいのが服装や身だしなみ。白衣の襟、ネクタイは曲がっていないか、髪の毛が乱れていないかなどの基本的なことは配慮できているかと思います。ワンランクアップの写真にするためにしてもらいたいのが、上着のポケットに入っている物はすべて出してもらい、首に掛けているストラップ類、名札、聴診器などは外してもらうこと。
名札は、傾いていたり、人によって付け方が違っていたりと、あまり綺麗に写らないことが多いため、外していただいた方がベター。聴診器は診察中の雰囲気を出したい写真の場合はつけたままで問題ありませんが、それ以外のシチュエーションでは外してもらいましょう。
患者や地域の開業医なども見る広報誌では、すっきりとした服装で撮影し、清潔感を持ってもらうことが大切です。
いかがでしょうか。
これらの解決策を参考に、よりスムーズに、ワンランク上の病院広報誌を作っていきましょう!