BLOG 『広報誌づくりの困った!を解決』

同じ文字量や図版を使用しても、誌面の印象はレイアウト次第で大きく変化します。なぜこのレイアウトにしたか? 目的や方向性をきちんと把握した上で考える必要があります。ここで理解して、病院広報誌制作の参考にしてみてください。レイアウトは読者の「読みたさ」を左右します。基本的な考え方を知って、魅力ある誌面を目指しましょう!

 

 

 

 

目の動きを意識する

まず読者が病院広報誌を開いたとき、視線がどのように動くかを考えてみましょう。 日本語の場合、横書きなら左上から右下へ、縦書きなら右上から左下へ(図1)というように視線が動きます。この大原則は覚えておきましょう。

要素別なら誌面を一覧した際、写真→見出し→本文の順で認識するといわれています。その際に気を付けたいのが、写真に該当する原稿が離れないようにすること。人は、近くにある要素をひとつのグループとして認識するからです。バラバラにレイアウトされていると、視線が迷子になってしまい、内容が頭に入ってこない…なんてことも起こりえます。
誌面が大きい場合は、一つの記事が終わったあと、次の記事が始まる場所が離れないように工夫することも必要です。文字を追う目が切れてしまったらそのまま読み切らずに終了してしまうことも多いからです。個人が興味を持って購入する本とは違い、病院広報誌は発行側が読者の興味を引く工夫が大切。読んでもらえないことには、伝えたいことが伝わりません。

 

 

 

 

規則性と不規則性

誌面のレイアウトパターンはさまざまですが、ある程度以上の文字量がある場合は、文字を整然と並べ、高さや大きさを揃えると読みやすくなるといわれています。

そうした規則性の中で、見出しのデザインや写真のトリミングの形に変化を与えると、大きさを変えなくても強調することができます。

メリハリも同様で、強調したい部分がある場合は、他の部分をあまり目立たせないようにすると強調したい部分が際立ち、メリハリが生まれます。記事の優先順位をよく考えた上でレイアウトすることが大切です。

 

 

 

 

余白はセンス

余白がほとんどない誌面、読者にはどう見えるでしょうか。文字や写真が誌面いっぱいに埋め尽くされていたら読みにくく、「こんなに読まなきゃいけないのか…」と見ただけで興味を持ってもらえないことも…。文字を読んでもらうためにも、最低限の余白が必要です。逆に大きな余白に素材が1点だけ配置されていれば、緊張感や高級感を演出できます。

「余白はセンス」といわれるように、適度な余白は読者の読みやすさを助けます。自主制作する場合の病院広報誌では、とかく情報量を詰め込みたくなってしまいがちですが、時と場合によっては原稿を少しリライトして文量調整してでも余白をとるよう心掛けたいものです。目的は原稿を「載せること」ではなく「読んでもらうこと」という観点を忘れずに。

 

 

 

 

写真のレイアウト

前述のとおり、写真は誌面を見たときに最初に見る重要な要素。

レイアウト次第で雰囲気が大きく変わります。写真の大小をつける際は、どの写真が記事の内容を最も伝えられるか、優先順位を考えてレイアウトするとよいでしょう。

 

 

 

レイアウトは載せたい要素を詰め込めばいいというものではありません。目的や方向性に適したレイアウトを心掛けましょう。