BLOG 『広報誌づくりの困った!を解決』

病院広報誌担当者が苦労されることとしてよく聞かれるのが、取材やインタビューです。

 

取材対象者が話好きの方であったり、取材・インタビュー慣れしている方であればスムーズに進むことも多いのですが、ほとんどの方にとって本格的な取材の対象者になる機会はあまりありません。

 

ですので、取材対象者からスムーズにお話を引き出すためには、取材者側の事前準備やインタビュースキルが重要となります。

そこで今回は、上手に取材・インタビューを行うために必要なコツ(インタビュースキル)のいくつかをご紹介したいと思います。

 

 

1.インタビューの成功は事前準備が9割!

 

よく言われることではありますが、インタビュー成功の可否は事前準備にかかっているといっても過言ではありません。

取材対象者自身のこと(経歴をはじめ、趣味や特技など公開されているあらゆる情報)を調べることから始まり、著書やブログ、SNSなどでの発信がある方ならそれらを読み込むこと、所属する組織や診療科のことなど、時間の許す限り調べ尽くしましょう。

「よく調べてきているな」と取材対象者に思っていただくことが出発点です。

 

2.事前アンケート

事前にアンケートに答えていただくことが可能な場合は、実施をした上で当日のインタビューに臨みましょう。

上にも書きましたが、普段から自身の考えをまとめて、言語化できる状態にまでしている方はそう多くはいらっしゃいません。

 

皆さんも、もし「患者さまと接するうえで大切にしていることは?」といきなり質問されたら、原稿に載せられるような“整った答え”は準備できていますか?

すぐに発信できる答えを持ち合わせていなければ、耳障りの良い一般的な回答しか出てこないかもしれませんね。

 

それでは、面白みの少ない記事になってしまいかねません。

事前にアンケートを行っておくことは、取材対象者ご自身の考えを改めてまとめておいていただくきっかけになります。アンケートを元に質問を掘り下げていくと、インタビュイーの考えや思いの深い部分により触れやすくなるはずです。

 

3.質問スキルを身につける

 

質問方法には、オープン型の質問とクローズ型の質問があります。

これらを織り交ぜつつ正確に使い分けることで、インタビューの進行がスムーズになります。

 

●クローズ型(チョイス型)の質問

質問された相手が「はい」「いいえ」で答えることが可能な質問形式や、いくつかの選択肢を提示してその中から答えてもらう質問形式。

相手に極力負担をかけずに端的に答えてもらいやすかったり、導きたい回答(方向性)があるとき、相手の考えや事実を明確にしたいときなどに有効です。

ただし、これらの質問ばかりですと淡泊な記事になってしまいますので、必要最小限にしましょう。

●オープン型の質問

答えを一つに限定することなく、相手に自由に答えてもらう質問形式。

「ご自身の仕事に対するモットーをお聞かせください。」「仕事上で印象的だった出来事を教えてください」など、

取材対象者の考えや思いに迫るような質問や、経験談を聞きたい場合などに使います。

この質問は、どのようにでも自由に回答することができる反面、あらかじめ提示されている選択肢から選べるわけではないので、回答者によっては答えるのが難しいと感じる場合もあります。

そのような場合は、クローズ型の質問形式をまじえながら、回答しやすいように敷居を低くする取材者側のフォローが必要となります。

 

取材対象者にとっては負担に感じることもありうる質問形式ではありますが、

クローズ型やチョイス型では把握しきれない深い部分を相手の言葉で率直に把握することができるため、

インタビュー記事の見出しやキャッチとなりうるような『記事の要』の部分を引き出すことが可能となります。

 

いかがでしょうか?

今回は取材における基本的な知識をご紹介しましたが、実はテクニックや準備以上に大事なことがあります。

それは、取材対象者の大事な時間を使い、お話を聞かせていただいているという気持ちを忘れないこと、

取材対象者に興味を持ち、ファンになり、取材者自身もその時間を楽しもうとする気持ちです。

 

双方ともに実りある時間となるよう、取材時間を楽しむ気持ちを忘れずにインタビューを行ってみて下さい。