BLOG 『広報誌づくりの困った!を解決』

院内で行われたイベントの報告記事は、病院の取り組みを伝える上で大切な役割を果たしています。

しかし実際は、一つのイベント報告に誌面スペースの多くを割くことができず、お知らせやニュースのコーナーにまとめて紹介するケースが多いと思います。その場合、内容を絞って概要を伝えるだけになりがちですが、一人でも多くの読者の目を引くためには小見出しに工夫が必要です。また、読んでよかったと思ってもらえるよう、記事の内容も充実させましょう。今回は、読まれるイベント報告記事の作り方についてお伝えします。

 

 「~しました」の見出しを脱却して、伝えたいことを明確に

同じページに並ぶお知らせやニュースの中で読者の目を引くには、記事の見出しの付け方を工夫しましょう。

たとえば、市民向けに糖尿病に関する講座の実施を報告する場合、「糖尿病の講座を行いました」という見出しを付けがちですが、それでは講座を行ったという事実しか伝わりません。

少しでも興味を寄せてもらうには、講座を開催した主旨や意図に立ち返って、読者に何をアピールしたいのかを考えてみてください。「糖尿病の予防には食生活の見直しが欠かせない」と伝えることが目的だった場合、どんな言葉を盛り込むといいでしょうか。

(例)「糖尿病予防の鉄則は『食生活の改善』  専門医が講座で徹底解説」

必ず入れたいキーワードは「糖尿病予防」「食生活」「講座」の3つ。それを入れ、さらにキラーワードとして「専門医」「徹底解説」を加えています。アピールしたい点が明確になり、講座の中で専門医がどんな話をしたのか、知りたいと思わせる見出しになっています。

このように見出しの重要性は高く、見出しの付け方次第で本文へと読み進んでもらえるかどうかが決まるといっても過言ではありません。

 

伝えたいことに合わせて、記事の校正にもひと工夫

ニュースのコーナーの中で目を引くだけでなく「読んでよかった」と思ってもらう内容にするためには、「〜を実施しました」「◯名が参加しました」といった事実の報告だけで終わらせずに、記事の内容を充実させましょう。

たとえば、病院では消防法により、年2回の消防訓練が義務付けられています。その一環として避難訓練を行ったレポート記事では「いざというときに患者を迅速に避難させ、安全を確保するために病院がいかに対策を行なっているか」を伝えることが大切です。しかし、当日の様子をおさめた写真1〜2枚と、訓練の概要をまとめた文章だけでは、そこまで伝えるのが難しいでしょう。

スペースの工面は必要ですが、どんな訓練をしているか、もう少し踏み込んで紹介することを提案します。「災害本部の設置」「職員間の無線でのやりとり」「シーツでの患者移送」など、避難訓練のシーンをいくつか抜粋して、時系列に沿って写真付きで紹介すれば「いかに実際の避難に近い形で訓練が行われているか」が伝わります。さらに、参加したスタッフに感想を寄せてもらい、反省点を見い出して今後の改善ポイントなどを紹介すれば「避難の質を高める努力を続けている」という病院の姿勢をアピールでき、信頼感を得ることにつながっていくでしょう。

 

 

イベントの報告記事を、読者にとって「過去のこと」にしないで興味をもって読んでもらうためにはテクニックを要します。いかに紹介するか、試行錯誤していきましょう!