BLOG 『広報誌づくりの困った!を解決』

広報ご担当の皆様は「職員が院内で勉強会をした」「新たに資格を取得した」といったトピックについて、こまめにチェックされていますか?

 

このような「職員が新たな知識を学び、スキルアップに励んでいること」に関する情報があれば、患者さん向けの広報誌でも積極的に扱いましょう。なぜなら、職員が継続的に知識やスキルの獲得に努めていることは、よりよい医療サービスを提供しようという姿勢のアピールになり、患者さんの安心感や病院への信頼度を高めるからです。

 

ただし、それらを「○○の勉強会を開催しました」、あるいは「□□さんが△△の資格を取得しました」という単なるニューストピックとして伝えるだけでは、他の記事に埋もれ、読者の目に留まりにくいと言えます。より効果的に伝えるためには、どのような視点でコンテンツづくりをすべきかについて検討していきましょう。

 

‍勉強会のレポート記事で、参加者の意欲を見える化

 

 

たとえば、以下のような内容の院内勉強会を、外部講師を招いて行ったとします。

 

【テーマ】患者さんとのコミュニケーション

【参加者】看護師

【形式】外部講師を招き、講話形式で開催

 

今回は、どんな勉強会が行われたのかを臨場感あふれるレポート記事にして報告することにします。しかし多くの場合、レポート記事にはテーマや講師の名前、参加者情報、大筋の内容を紹介するだけになりがち。そこで記事の内容を深め、掲載の効果を高めるためにも、参加者には終了後にアンケートにご協力いただくようお願いしましょう。

 

聞く項目としては、下記のような内容を盛り込んでください。

①講師の話からどんなことを学んだか

②特に印象的だった内容は何か

③ぜひ実践したいと思うのはどんなことか

 

Q&A方式であれ、グラフや表に落とし込むのであれ、参加者が何を学び、何を得て、今後の業務にどう活かしていくつもりなのか。これらへの回答を掲載することで、内容が深まり、読み応えのある記事になります。さらには、勉強会の内容を今後の業務に生かし、新たな学びにつなげようとする参加者の姿勢をより深く、しっかりと伝えることができるでしょう。

 

資格取得者インタビューで、事例を具体化

 

専門職である病院職員が新たに資格を取得するのは、専門性をさらに高め、幅広いサービスを提供することで、もっと患者さんの役に立ちたいという思いが根底としてある場合が多いです。そのような意欲的な職員がいる場合は、ぜひインタビューに協力してもらいましょう。今回は、以下のような職員を例として想定します。

 

【資格取得者】看護師

【取得した資格】公認心理士

 

インタビューでは、次のような質問を盛り込みましょう。

①新たに資格を取得しようと思ったきっかけは何ですか。

②資格を取得し知識が増えたことで、仕事にどのように役立ちましたか。

 

今回の場合、①からは「患者さんの気持ちをもっと理解できるようになるのはもちろん、患者さんとの面談で得られたアセスメントに基づいて、相談や援助という分野にまでアプローチできるようになりたかったから」など、もっと患者さんの役に立ちたいという想いをうまく引き出してあげましょう。

 

さらに②の内容を聞くことで「患者さんの気持ちに寄り添ってケアができるようになり、患者さんが前向きに治療に取り組んでくれるようになった」など、良い事例を具体的に引き出すことができます。

これらの質問によって、看護師が「公認心理士」という新たな資格を取得したことで対応スキルがどのように向上し、それが患者へのサービスにどのように活かされているのか、読者にわかりやすく伝えることが可能になります。

 


より良い医療を提供するために、貴院の職員の皆様はさまざまな努力を重ね、スキルアップに取り組んでいるかと思います。しかし、そうした姿は患者さんからは見えないものです。だからこそ、広報担当者が積極的に広報誌を通して紹介することが大切です。

患者さんに病院への信頼度を高めてもらうために、さまざまな角度から病院や職員の魅力を発信していきましょう。