BLOG 『広報誌づくりの困った!を解決』

商業出版などでは「増刊号」発行で

スペシャル感を強調して話題性アップ

商業誌などの出版業界では、基本的には定期的に刊行される「定期誌(本誌)」のことを「雑誌」といいます。しかし、雑誌売り場には「ムック」「増刊号」「別冊」などの不定期刊行物も並んでいて、何がどう違うのか実は分かっていないという方もいるでしょう。

「増刊号」とは定期誌(本誌)以外に臨時で発行される号のことで、「臨時増刊」「特別号」とも呼ばれます。スペシャル感を強調して話題性を高めたい場合、本誌の派生的なコンテンツを1冊で深く紹介することに意味がある場合、本誌の1企画として扱うだけではもったいないような注目度の高い内容である場合などに出されることが多いです。スポーツマガジンがオリンピックやワールドカップなどの大きなイベント時に出されるものを思い浮かべるといいでしょう。

なお、「別冊」も同様な意味合いで発行されることが多く、明確な区別はないとほとんどないと考えて問題ありません(ただし「ムック」の場合は、書店流通上においての大きな違いがあります)。

 

病院広報誌でも「増刊号」を発行してみませんか

今回ご提案したいのは、貴院でぜひ多くの人に知ってほしいビッグニュースなどがあり、より多くの患者さんに読んでほしい場合、定期発行されている病院広報誌(本誌)の中で「特集」として紹介するのではなく、この雑誌的な手法を取り入れて本誌とは別に「増刊号」として発行するということです。

そのようなビッグニュースといえば、病院をリニューアルした、新棟を建設した、新しい治療科を増設した、画期的な治療法を自院でも取り入れることになった、などが考えられます。「増刊号」を作るのに特別なルールはありません。ただし、コンテンツであればワンテーマで深く掘り下げる、いつもよりコンテンツを増やしてページ数もその分増やしてみる、普段は職員が手作りしている原稿やレイアウトを一部プロに依頼してみる、などの特別感の演出があるといいですね。

なお、表紙ですが「創刊」ではなく「増刊」なのでタイトルは変える必要はありません。ただ、通常号よりも表紙に少し力を入れるとぐっと注目されやすくなります。例えば、通常号ではフリーのフォト素材やイラスト素材を使っているとしても、できればプロのカメラマンに撮影してもらった写真やプロのイラストレーターに描き下ろしてもらったイラストを使っていただきたいところです。それだけでクオリティとオリジナリティがワンランクアップします。それが無理なら、せめて有料のフォトやイラストを使ってみてはどうでしょうか。

より多くの方に知っていただいて集患につなげよう

コスト面でいえば1号分以上の予算が別途必要になりますが、より多くの患者さんに「重要なこと(特別なこと)が書いてありそう」と手に取っていただける可能性がぐっと高くなり、より多くの方に知っていただけるので集患につながります。

どうしてもその分の予算が捻出できない場合は、通常号を1号飛ばして「増刊号」として出すというやり方も不可能ではありません。重要なのは、注目度を上げて患者さんに読んでいただくこと。いろいろ知恵を絞りながら、良いものを作っていきましょう!