BLOG 『広報誌づくりの困った!を解決』

病院広報誌のご担当者さま、こんにちは。
ご覧いただき、ありがとうございます。

今回は、校正する際によく見かける「校正したい単語5選」をご紹介します。

 

1. 障害を持つ

「障害を持つ」という表現は「障害のある」に直します。
自分が望んで障害を持っているわけではないという当事者の思いに配慮するためです。
よく見かける表現ですが、当事者の方が不快な思いをしないように表現を変えましょう。

また「しょうがい」という言葉について
「障碍」「障がい」「障害」などの表記がありますが、明確な表記ルールはありません。
しかし、校正するときに意識していることはあるので、ご紹介します。

「碍」という漢字が使用されていた場合「障害」もしくは「障がい」のどちらかに直すことを推奨します。現在「碍」は常用漢字表から外れておりほとんど使われていない上、
仏教用語に由来する「障碍(しょうげ)」(仏道の妨げになるもの)という単語もあり、
紛らわしいため「障害」もしくは「障がい」に直すとよいでしょう。

次に「障がい」とひらがなを使用する理由は、2つあります。
1つ目は「害」という漢字が持つ、マイナスなイメージをなくすためです。
「害虫」「被害」「公害」など「害」という漢字が使われている単語は、いいイメージを抱きにくいですよね?また「害」は「邪魔をする」「妨げる」という意味もあります。

2つ目は、医療に対する「難しい」というイメージをなくし、読みやすくするためです。
制作している病院広報誌の読者が患者さんや地域の方々の場合は、ひらがなを使用した方が親しみやすく、読んでもらえる可能性があります。「障がい者スポーツ」など公に使用されている表記も、ひらがなのままにします。

「機能障害」「更年期障害」「障害基礎年金」など、固有名詞は「障害」を使用します。
また、読者が医療従事者である場合は「障害」でよいでしょう。
『記者ハンドブック新聞用字用語集(共同通信社 第14版)』は「障害」が採用されていますが、
主な読者が患者さんや地域の方々なのか、院内の医療従事者なのか、親しみやすい印象を与えたいのか否かによって「障害」か「障がい」を使い分けましょう。

2. 薬の登録商標マークの有無と位置

病院広報誌では、薬の名前を記載することがあると思いますが、名称は合っていますか?
登録商標マーク®️が付いている薬もあるため、マークを付ける必要があるのか、付ける必要がある場合も上に付くのか、下に付くのかをきちんと確認するようにします。インターネットで薬の名前を画像検索すると、登録商標マーク®️が上付きなのか下付きなのか確認することが可能です。

 

3. 手術中や施術中の写真

患者さんが目にする病院広報誌においても、手術中や施術中の写真を載せる場合があると思います。
この場合、患者さんの顔が明確に写っていても問題ないのかどうかを確認します。
患者さんによっては「自分の顔が分からないようにしたい」「顔の部分をぼかしてほしい」とおっしゃる方もいらっしゃるので、注意しましょう。また手術中の写真を見た読者の気分が悪くなってしまうほど、グロテスクな写真ではないのかという観点からも写真をチェックします。

 

4. 頚

頚部、頚椎捻挫、頚肩腕症候群など「頚」という漢字が使われていることがありますが、
正しい表記は「頸」を使用した「頸部」「頸椎捻挫」「頸肩腕症候群」です。
特に「頚部」という表記はよく見かけるので、気をつけましょう。
記者ハンドブックには「病名・身体諸器官の表記例」として、他にも多数の表記例が載っています。

 

5. 植物人間、植物状態

人間を植物に例えるのは尊厳を損なう表現とされているため、医学用語だとしても使用しないように気をつけます。少し長い表記になりますが、下記のように変更します。
「意識障害が長引いている患者」「意識の戻らない状態の患者」「持続的意識障害の患者」。

 

※校正のルールは、共同通信社『記者ハンドブック新聞用事用語集』第14版を参考にしています。

 

いかがでしょうか?

病院広報誌を校正をする際、頻出の校正したい単語5選をご紹介しました。
以上の点に気をつけながら、よりよい病院広報誌を作成しましょう!