病院広報誌の制作に限らず、誌面構成の要素である「本文」は、伝えたいことを詰め込んだ重要な要素のひとつです。イラストや写真、図など使いながら誌面を構成しても文章なしでは誌面は成立しません。しかし、情報量が多く専門的な内容になると文章は複雑化ししてしまいます。そうなると、読者は理解するために時間が必要になり、結果として読みにくいというストレスを感じてしまいます。そこで、より読みやすい本文にするためのシンプルな解決策を2つお伝えします。
1.専門的な内容はインタビュー形式で表現してみる
内容が難しいという印象を回避する手段として、専門職の方が書いた文章だけにせず、聞き手を登場させることで読みやすさをプラスできます。例えば、医師がストレスについて解説する際の以下の例を見てください。
例)
ストレスを放置しておくと、思考や感情に加え、体の調子にまで悪影響を及ぼして日常生活に支障をきたす可能性があります。感情や思考にストレス反応が出る人、体にストレス反応が出る人など様々ですが、この3つは連動しているものなのでトータルなケアが必要です。
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●●医師:ストレスをそのままにしておくと、思考や感情、体の調子にまで悪い影響があります。そうしているうちに日常生活に支障をきたしていきます。
―ストレスが感情だけではなくて、いろいろなところに影響をもたらすのですね。
●●医師:はい。ストレスの影響の出方は人によって違います。感情や思考にストレス反応が出る人、体にストレス反応が出る人など様々ですが、この3つは関わり合っているものなので、トータルなケアが必要になってきます。
いかがですか?内容はもちろん同じなのですが、聞き手が登場することで読者の理解のスピードに沿って内容が整理され、共感しやすい文章になっています。
2.興味を引くキャッチコピーとして小見出しを作る
長い文章の塊だけがあると、内容のポイントが分かりづらくなります。そこで効果的なのが、小見出しです。そして小見出しも興味を引くキャッチコピーとなるように工夫してみましょう。以下の例を参考にしてみてください。
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例1)数字を入れたキャッチコピー
「うつ病」の症状を知る
→見落としがちな「うつ病」の症状20
読者からすると、漠然とした症状の解説よりも20の具体的症状があるのだな、と「心当たりのある症状を探そう」という動機を形成しやすくなります。
例2)問いかけ表現のキャッチコピー
こころの病は見極めにくい
→日常に潜むこころの病の諸症状、あなたは気づけてあげられますか?
読者に対して「あなた」と呼びかけ、本記事が他人事ではないという印象を持たせています。また、問いかけ表現を用いることで、問題意識を持たせて本文内容を読もうという動機付けを行います。
ちょっとした工夫でより読ませる本文になるように心がけてみましょう!