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医療広報誌や、地域医療機関向けの広報誌でよく掲載される「就任挨拶」。診療科の部長や院長、副院長の挨拶などをお知らせするための記事ですが「正直いって、あまりおもしろくない!」と感じている方は多いのではないでしょうか? 医療関係者には興味が持てる内容であっても、実は患者さんやそのご家族にとってはあまり興味が持てないことが多いのです。

 

そもそも就任挨拶とは?

「就任挨拶」は、新しく就任した方のご紹介が主な目的ですが、とくに医療広報誌においては、「この人が部長なら、ここの診療科は信用できるな」「あの先生がいるなら患者さんを紹介してみよう」と読者に思っていただける信頼感がとても重要です。この信頼感を重視した結果「あまりおもしろくない」就任挨拶になってしまっているのです。

 

まずは、よくある就任挨拶を見てみましょう。

【よくある就任挨拶】
「●月●日付けで△△科の部長に就任した××××です。平成10年に●●医大を卒業し、以後16年間●●大学附属病院の△△科に勤めてきました。当科では「患者さま第一主義」をモットーに、患者さまのご希望に沿った治療を提供することを心掛けております。今年6月、手術や入院の不安を少しでも取り除けるように、専任看護師による相談窓口も開設しました。  当院ではより専門性の高い医療を提供することはもちろんですが、こうした患者さんの精神面でのサポートを充実すべく、今後もさまざまな角度から取り組みを進めてまいります。……今後ともよろしくお願いいたします。」

 

 

いかがでしょうか? この挨拶文でも就任される方の簡単なプロフィールも分かりますし、診療科の特徴や取り組みもしっかり紹介されています。

ですが、患者に読まれる就任挨拶とは言えませんよね…。

医療広報誌として院内で広く配布している場合は、患者さん目線も意識するとより読まれる就任挨拶になりますよ

そこで、今回は「就任挨拶をもっとおもしろくする4つのアイデア」をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

 

 

就任挨拶をもっとおもしろくするアイデア4

 

 

アイデア1 人柄を見せる

患者さんにとって、医師は遠い存在。ましてや院長や診療科の部長なら、なおさら距離感を感じる方がほとんどだと思います。

そこで、趣味などを紹介するコーナーを設けて、人柄を感じられるように工夫をしてみましょう。本文とは別枠に掲載すれば今すぐに始められますよ。

人柄を感じると、人は自然と好感を感じるもの。人柄を感じることで、“偉いお医者さん”から“一人の個人”へと認識が変わり、親しみやすくなります。趣味以外でも、最近ハマっていること、座右の銘、子供のころの写真な、オリジナル川柳など、その方の人柄を伝えられる質問を考えてみましょう。

 

 

アイデア2 医療コラムをのせる

就任される先生から医療コラムを執筆してもらいましょう。例えば「最近の医療業界で問題視していること」「最近の流行りの病気について」「患者さんに知ってほしい情報」など、患者さんにとって有益な情報をコラム化してみましょう。コラムという体裁にすることで、難しい内容でも自然と読まれやすくなります。

さらにコラムの執筆者が医師や医療従事者であることもポイント。医師の立場から発信した情報はターゲットの信頼を得やすい傾向があります。(CMなどでも白衣を来たタレントが商品をPRしている姿がよく見られますが、これは信頼感のある医師のイメージを活用した事例です。)

 

アイデア3 Q&A方式にしてみる

堅苦しい挨拶文をQ&A方式にしてみてはいかがでしょうか? Q&A方式は要点と回答が整理されてますので、難しい内容でも分かりやすくなります

また、聞きたい質問をまとめてあるので、多忙な方でも執筆しやすく・インタビューも短時間で済みます。

先ほどの【よくある就任挨拶】をQ&A方式でまとめてみましょう。

リード:△△科の部長に就任された●●部長にインタビューを行いました。
Q:△△科の診療方針を教えてください。
A:当科では「患者さま第一主義」をモットーに、患者さまのご希望に沿った治療を提供することを心掛けております。
Q:「患者さま第一主義」のモットーを達成するために具体的な施策などありましたら教えてください。
A:今年6月、手術や入院の不安を少しでも取り除けるように、専任看護師による相談窓口を開設しました。 当院ではより専門性の高い医療を提供することはもちろんですが、こうした患者さんの精神面でのサポートを充実すべく、今後もさまざまな角度から取り組みを進めてまいります。

いかがですか? 先ほどの就任挨拶よりも読みやすくなりましたね。

ただし、Q&Aは院長などの組織のトップの就任挨拶には不向きになる場合もあります。記事の内容によって使い分けましょう。

 

アイデア4 写真を工夫してみる

就任挨拶記事で証明写真のようなバストアップ写真を掲載していませんか? それでは患者さんの印象に残りません。

就任紹介写真では信頼感が第一ですので、バストアップなどのお顔がよく分かる写真を載せること自体は間違いではありません。

ですが掲載スペースがあれば、バストアップ写真に追加して「その人らしさ」を伝える写真も追加してみてください。ベストアップ写真1枚よりもずっと誌面が明るくなり、自然と読者を引きつけより読まれやすくなります。

プロのカメラマンに委託する場合は「笑顔が素敵な先生なので、笑顔を撮ってください」「診察中の真剣な横顔を撮ってほしい」など、先生の個性をあらかじめ伝えておくといい写真が撮れますよ。

 

 

 

いかがでしたでしょうか? 「就任挨拶は堅めの記事だから工夫しにくい」と悩んでいる方は是ぜひ試してみてください。