BLOG 『広報誌づくりの困った!を解決』

医師の寄稿原稿では、文字で誌面がいっぱいになりがち。新任医師の紹介は写真と名前を同じレイアウトで掲載。毎号、そんな定例企画で誌面が埋まっており、誌面にメリハリがない…というお悩みを抱えていらっしゃるご担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。

読者にとっては、誌面に抑揚があった方がもちろん読み進めやすくなります。定例企画をどのように調整し、またどのような企画を掲載すれば誌面にメリハリが生まれるか、考えていきましょう。

 

(1)「Q&A」形式で読みやすく、読者に寄り添った誌面に

医療に関する情報を文章だけで紹介しても、読者にしっかり伝っているか不安…ということはありませんか。そんな時は文章を「Q&A」の形式に仕立ててみましょう。例えば、流行中の病気や貴院で症例数の多い病気を「〇〇ってどんな病気?」と銘打ち、Q&A形式でその疾病について解説するコーナーが考えられます。

Q&Aのよいところは、執筆する前にその病気について読者の知りたいことや、こちらが伝えたいことをきちんと整理でき、それをピンポイントで伝えられることです。「あれもこれも」と盛り込んだ文章は冗長になりますが、Q&Aの特性を生かせば簡潔でまとまったコーナーにしやすくなります。

また、そのように練られたQ&Aは、制作者と読者の疑似的な会話とも取ることができます。一方的に情報を伝える記事よりも、読者は能動的に読むことができるのです。結果的に、漫然とした印象を抱きがちな長い寄稿記事よりも、メリハリを感じやすくなります。

他にも、医療情報に限らず、新任医師の紹介を一問一答形式のQ&Aにしたり、入院や治療に関する病院情報をQ&Aで伝えたりすることも、同様に理解度が深まりやすくなります。

ページ内、あるいは冊子全体が文章だらけになってしまう時は、このように文章の形式を整えることを意識してみましょう。

 

(2)文字だけにこだわらず、マンガで誌面をにぎやかに!

メリハリに富んだ誌面を作るには、そもそも文章の掲載にこだわる必要はありません。むしろ、文章量があまりにも多いと、それだけで読者は敬遠してしまうこともあります。

文章が主な要素となる広報誌では、マンガなどの要素は目に留まりやすく、ページごとの差異もつけやすくなります

病院広報誌では、例えば以下のような内容が考えられます。

 

①リハビリや体操の具体的な取り組み方を紹介する

②入院などに伴う院内の手続きを解説する

③医療保険制度の複雑な部分などを解説する

 

①は、絵を使えば体の動きを具体的に表現でき、そのマンガを見ながら実際に取り組みやすくなります。②③では、たとえば病院の制服を来たキャラクターなどを登場させ、解説してもらうことで「人に解説してもらっている」感覚を得ることができ、単なる文章の説明よりも理解しやすくなります。③は制度の図解なども盛り込むことができます。

マンガをすぐに準備することは難しいかもしれませんが、特に①などであれば、病院スタッフ数名に協力を仰げば、その様子の写真を撮影し、それを用いて疑似的な4コママンガに仕立てることもできるでしょう。

 

(3)読むだけでなく、読者も取り組めるコーナーがあると◎

病院広報誌は、病院の情報を一方的に伝えるだけでなく、読者とのコミュニケーションの場でもあります。読むだけでなく、読者が自ら取り組める(書き込む)コーナーを配置しておくことで、読者は「ここは読むページ」「ここは自分で書き込むページ」と、ページごとの役割の違いを把握でき、メリハリを感じてもらえます。

たとえば高齢者の患者様が多い慢性期病院なら、クロスワードパズルなど脳トレ的な要素を掲載すると、読者も関心を持ちやすくなります。この場合、自院が提供するリハビリ内容の紹介と絡めることもできるでしょう。

また、先のQ&Aで疾病に関する内容を扱う場合「こんな人は要注意!」と、疾病罹患リスクを手軽に調べられるようなチェックリストもあるとよいでしょう。思い当たる部分がある人は自覚的に取り組み、病気への関心を高めやすくなります。

そこに、その疾病に対して貴院が提供する治療体制の紹介などが併記されていれば、アピールにもなりえます。

 

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読者に愛される病院広報誌を目指すには、良質で分かりやすい原稿を掲載することに加え、メリハリのある誌面を作り、読者が読みやすい状態に仕上げることが重要です。

紙面のバランスを整えて、広報誌をより一層魅力的にしていきましょう。