BLOG 『広報誌づくりの困った!を解決』

病院広報誌で医薬品や医療機器などを紹介する際に気を付けたいのは薬機法の順守です。医療機関の広報ご担当者の方であれば常日頃意識している法令ですが、医薬品や医療機器ではないものでも掲載の仕方によっては意図せず違反してしまうケースもあります。

今回は病院広報誌制作において、薬機法に抵触してしまうリスクのあるポイントや、OKとされている表現について事例をもとに解説します。

 

 

<NG事例:サプリメントの効能を伝える>

サプリメントを医薬品と誤解させる表現はNG

薬機法で規制される商品は、❶医薬品 ❷医薬部外品 ❸化粧品 ❹医療機器 ❺再生医療等製品の5種であるため、サプリメントをはじめとする健康食品は薬機法で制限を受けるものではありません。しかし、医薬品と誤認するような表現を行うと薬機法違反となります。

サプリメントや健康食品は「栄養補給」や「健康維持」を期待して摂取するものなので、使える表現は限られています。気を付けたい重要なポイントは「医薬品のような表現を使ってはいけない」ということです。以下にNGとされる事例を紹介いたします。

 

NGポイント❶

「●●症になる確率が低くなる」

特定の病状に対して効果・効能があるとった表現はNGとされています。

 

NGポイント❷

「お薬と同じ効果が得られる」

医薬品の代用品、もしくは同等の効果が得られるといった表現はNGとされています。

 

NGポイント❸

「毎食前に、1回3粒を水で飲んでください」

健康食品の説明で飲む時間や量を指定すると「医薬品である」と誤認させる恐れがあるため避けてください。

 

<OK事例:レシピで食材の効能を伝える>

 

「明らか食品」は効能を述べてもOK

野菜や果物、ヨーグルトなどの加工食品、総菜や缶詰めなどの調理品、調味料など誰が見ても食品だと分かる「明らか食品」に関しては、それが医薬品である誤解する人はいないものと考えられています。したがって、薬機法の適用のない範囲であり、病院広報誌上で健康に対する効能を記載しても薬機法違反とはなりません。とはいえ、特定の病状に対する効果があるといった表現や、誇大な内容を記載すると、景品表示法や健康増進法に抵触します。

 

 

薬機法に違反した場合は、違反者や事業者に対して行政指導が入るのが一般的です。しかし、その内容が悪質だと判断された場合には、刑事罰として懲役刑、または罰金が課される場合もあります。また、2021年8月には新たに課徴金制度が導入されました。

医療機関としてのコンプライアンスを順守し、信頼性を確保していくためにも、適切な表現で広報誌を制作していきましょう。