病院広報誌や地域医療連携向けの広報誌で必ずといっていいほど掲載される「就任挨拶」。院長や副院長、各診療科の部長を紹介する記事として広報誌に掲載すべき情報ですが、見せ方によっては単調になりがちで、あまり「読んでみよう」と思われないことが多くあります。
そこで今回は、読んでみようと思える就任挨拶の見せ方についてご紹介します。
■オフの姿を見せる
患者さんの中には「医師とは『お医者さま』で偉い人、雲の上の存在」という感覚を持っている方が多くいらっしゃいます。ましてや院長には診療してもらう機会も少なく、距離感を感じがちです。
そこで、ご挨拶とは別に、趣味や休日の過ごし方など、仕事以外のオフの姿を写真と共に紹介する、人柄を感じられるコーナーを入れてみましょう。
「このお医者さま、うちの旦那と同じゴルフが趣味なのね」「休日は手の込んだ煮込み料理をされるなんて、まめな人なんだな」と、人柄を感じることで遠い存在だった医師から、一人の同じ人間に認識が変わり、親しみをもって読んでもらえるようになります。
<質問例>
・趣味、特技
・座右の銘
・コロナ禍で始めたこと
・おすすめの映画、本の紹介 など
■手書き文字を入れる
「文字はその人の人格を表す」といわれることがあるほど、個性が出やすいものです。丸文字、角ばった文字、はらいが大きい文字など、手書き文字からは書き手の人柄を感じさせます。そこで、手書きした名前や座右の銘、意気込みを掲載してみてはいかがでしょうか。手書きにすることで、情報にプラスしてその方の人となりを伝えることができます。
細いペンによる長文だと大きく入れないと読めないこともあるので、文字数を指定し、太めのサインペンではっきりと書いてもらえるように依頼するとよいでしょう。さらにどのように掲載するか分かるように示した誌面ラフを用意すれば、手書き文字の大きさの具体的なイメージが湧くので安心です。
■写真を工夫する
就任挨拶で、正面から撮影した無地の背景の証明写真のような写真を掲載していませんか。写真は文章よりもぱっと目に入り、印象に残りやすい重要なアイテム。しかし残念ながら証明写真からは個性が伝わりづらいもの。そこで「その人らしさを感じる写真」を撮影してみましょう。
・職場の雰囲気を感じる場所で撮影する
外科の医師であれば、ダヴィンチなどの最新機器を背景に撮影するなど、その人にまつわる場所を背景にする。
・職場の雰囲気を感じさせるアイテムを持って撮影する
整形外科の医師であれば、人体関節の模型を持って撮影するなど、その人にまつわる物を持ってもらう。
背景や持っているアイテムに患者さんの個人情報や病院の機密事項などが写り込まないように注意しましょう。普段のその人らしい表情が切り取れるよう、リラックスした雰囲気で撮影できるように心掛けるとよいでしょう。
以上のポイントを参考に、読んでもらえる就任挨拶にブラッシュアップしてみてはいかがでしょうか。