BLOG 『広報誌づくりの困った!を解決』

病院広報誌の制作現場では、画像を扱う機会も多いかと思います。

高性能なスマートフォンや軽量デジカメの普及により、いつでも、誰でも、どこででも、気軽にきれいな写真を撮影できるようになりました。

それらで撮影した画像は解像度が高いことが多く、広報誌を制作する際に「画像のサイズ」を意識する機会は少なくなっているかもしれません。

しかし、職員や関係者、患者さんなどから提供いただく画像を広報誌で使おうとしたら、画像のサイズが小さすぎて使用できなかった…なんて経験はありませんか?

このような解像度不足は、画像提供者自身のSNSなどにアップロードした画像を再ダウンロードして渡される画像や、エクセルやワード、PDFなどに貼り付けていた画像などで起こりがちです。

これは、パソコンやスマートフォンなどの画面上に表示する際に必要な画像のサイズと、印刷に必要な画像のサイズが違うから起こることなのです。

画像サイズに関する用語は、dpiとか、ピクセルなど耳慣れないものも多く、苦手意識を持ってしまいがち。そこで今回は「画像サイズ?画素数って何?画像解像度?」という方に向け、画像に関する基本情報知識を簡単にご紹介したいと思います。

 

■画像解像度とは?

 

まずはよく聞く「画像解像度」。
画像解像度とは、1 inch(約2.54cm)あたりにいくつのドットが並んでいるかを示す「dpi(dot per inch)」で表される表現です。ドットとほぼ同じような意味で使われる「ppi(pixel per inch)」という単位もあります(ややこしいですね…)。

(写真もイラストも、このようなドットを組み合わせた集合体になっています)

 

ディスプレイでの出力解像度(ディスプレイの画面上での1 inchあたりの画素数)は、Windowsでは96dpi、Macでは72dpiが標準です。対して、フルカラーの印刷物では350dpi程度が適切です。

ディスプレイではきれいに見えていた72dpiの画像を印刷したら、ぼやーっとした鮮明でない画像になってしまうというのは、ディスプレイの出力はデジタルデータを規則的に並べたものであるのに対し、印刷物は網点を使ったアナログなものであること、デジタルと印刷物では色の再現方法も異なることなどからきています。

 

■「画素数」とは?

 

解像度と同じく写真の画質をあらわす言葉ですが、解像度がデータの詰め込み具合(1インチあたりのドットの数)をあらわす一方、画素数はデータ全体の量の大きさ(多い、少ない)をあらわします。

 

 

■「画像のサイズの調べ方」

 

Windowsの場合は、画像を選んで右クリック→プロパティ→詳細で画像サイズと画像解像度を確認することができます。誌面で使用したい大体の大きさにその画像のサイズが適したものであれば、きれいな状態で出力することができます。ただ、ここでご注意いただきたいのは、出てくる大きさの単位がピクセルであることです。

ピクセルからセンチへの変換は、インターネット上に変換のサイトがたくさんありますので、そちらを使って確認していただくのが良いかと思います。

 

 

 

ここまで画像に関しての少し専門的な知識をご紹介してきましたが…
「1点1点の画像のサイズをプロパティで確認して、ピクセルをセンチに直してサイズの確認をする」というのは、院内報ご担当者さまの業務負担としても現実的ではありません。

そこで「写真素材を収集する際の簡単なポイント」をお伝えします!

それは、ずばり「データのサイズ(重さ)」です。

証明写真ぐらいの小さなサイズで使う画像なら1.0MBあれば問題なくきれいな状態の画質で印刷できるかと思います。スマートフォンで撮ったような画像も、リサイズしなければ十分きれいな状態で出力されます。つまり、写真素材を各部署の担当者さまに送っていただく際に「○MB以上のサイズで写真を送ってください」と伝えれば、写真が粗く印刷されてしまう現象をある程度防ぐことができます。

 

●参考にしていただきたい目安

2MB程度 … A5サイズ程度で印刷可の場合が多い

4MB程度 … A4サイズ程度で印刷可の場合が多い

 

上でご説明したように、画像の画質に関してはデータそのものの容量とは違う概念があるのですが、ざっくりと確認していただくなら、この方法が一番簡単かと思います。ただし、これは「粗すぎる写真を避ける」ということを避けるための手段ですので、写真をキレイに大きく印刷したい場合はしっかり解像度や画素数を確認しておきましょう。

画像に関することは、細かく見ていくと難解な部分も多いのですが、美しい誌面を作るためには写真がきれいであることは大事なポイントです。

今後は「画像のサイズ」についても気にしながら、制作を心がけてみてはいかがでしょうか。