BLOG 『広報誌づくりの困った!を解決』

病院では毎月さまざまなイベントが行われており、病院広報誌に「イベントレポート記事」として掲載するのは定番企画となっているかと思います。

今回はこのイベントレポート記事をより患者さんをはじめとする読者に響く内容にするためのポイントをお伝えします。

 

■患者参加型ではないイベントにもスポットを当てよう

そもそも、どのようなイベントを取り上げていますか。患者さんに伝えるための広報誌に載せるのだから「公開講座で多くの患者さんに参加してもらった」「地元吹奏楽部の演奏会を開いた」という「比較的大規模で特別なイベント」と考える方が多いかと思います。

もちろん、そうしたイベントは掲載する価値が高いものです。しかし、普段院内で行っている対外向けではないイベントも実はレポートする価値があります。

 

例えば「防災訓練」。

 

6月3日、防災訓練を「机上」で行いました。多職種でチームとなり、院内の図面を見ながら、避難経路や患者さんの安全確保について議論を行いました。

 

「防災訓練なんてやって当たり前なのだから、掲載する価値がないのでは」と思われるかもしれません。しかし、上記のように具体的にレポートしてみると、患者さんにとっては「チームで防災訓練を行うんだなあ。いざという時のこともしっかりと対策していて安心できる病院だな」という印象を持ってもらうことにつながります。

患者さんが参加しない、院内での通例イベントにもスポットを当ててみましょう。

 

 

■イベントに関連して特集を考えよう

「11月14日、世界糖尿病デーに合わせて患者さん向けの講演会を行った」としましょう。

このレポートを単独で掲載するのではなく、特集ページで糖尿病の概要、予防法、治療法について取り上げ、その中の一つのトピックスとしてイベントレポートを掲載することで、より糖尿病への理解が深まり、イベントを行う意義を示すことができます。

特集ページとイベントレポートは別物と考えがちですが、イベントに関連したトピックスから特集ページを考えてもよいでしょう。

 

 

■「病院としてのイベントレポート」という視点を忘れずに

イベントレポートとして、以下のような体裁の文章をよく見かけます。

 

11月3日文化の日に合わせて水彩画教室を開き、15名の参加者が集まりました。今年は地元作家の●●さんに指導をお願いし、中庭で摘んだ花や差し入れのフルーツをスケッチしました。

 

ここで考えていただきたいのは、事実を伝えるだけの「イベントレポート記事」ではなく「病院広報誌」に掲載するイベントレポートとして「病院が開催した意味や価値」です。

 

水彩画教室を開催する目的は?

・アート療法の側面から多くの患者さんに絵を描く楽しさを知ってほしいから

・長い入院生活で進行しがちな認知症を、絵を描くことで進行を抑えるため

 

など、イベントを開催するさまざまな理由が挙げられると思います。病院の理念や目的を意識して執筆してみると、より深みのある原稿となるでしょう。

 

 

いかがでしょうか。

このポイントを参考にして、患者さんに響くイベントレポートを書いてみてください!