広報誌を発行されている病院さまの中には、発行後に間違い(誤記)に気付いたり、ドクターや患者さんなど広報誌を読んだ方から指摘されて初めて文章に不備があることを発見した経験をお持ちの方もいることと思います。
今回のブログでは、制作の最終段階で「校正」(文章や単語に間違い、誤字脱字がないかを確認すること)をするときのポイントについてお話したいと思います。題して「校正は、間違い探しをするつもりで!」です。
広報誌の制作担当になると、この校正作業の責任は重大です。発行前の最終段階で原稿や写真が配置されてデザインされた誌面をプリントアウトし、確認されていると思いますが、そのとき、皆さんはどんな風にその誌面を読んでいらっしゃいますでしょうか。
「ページの最初から最後まで順番に読んでいって誤字脱字がないかチェックしている」という方が多いかもしれません。ここで、ポイントです。「ページの最初から最後まで順番に読んでいく」というのは、あまりおすすめできません。というのは、普通に読んでいってしまうと「間違い」が発見しにくいからです。
では、おすすめの方法はというと「ジャンル別に、ひとつひとつ、しらみつぶしに見ていく」方法です。たとえば、8ページ分を校正するときを例にしてお伝えします。普通ですと、1ページ目から読んでいきたくなるのですが、ぐっとこらえて下記のように読み進めてください。
校正のポイント1
まずは「ノンブル(ページ数)」が正しいかどうかだけ8ページ分確かめます。ページの下には、その順番を表記した小さな数字が入っていますよね。そのページ数が、全ページきちんと入っているか、また、その順番に間違いがないかを確認します。確認が終わった箇所には、蛍光ペンなどで印をつけると安心です。
校正のポイント2
次に「各企画のタイトル周り」が正しいかどうかだけ8ページ分確かめます。例えば
「院長から皆様へご挨拶~Messege from the director~」
というコーナータイトルがあるとするなら「Messegeは正しいスペルがMessageだから修正しよう」というように、各ページのタイトル部分だけ集中的に見ていきます。タイトルはページの中でも比較的大きな文字で掲載されていることと思います。このように、大きな文字や大切なタイトルを万が一間違ってしまうと大変ですよね。ここでも、確認が終わった箇所には、蛍光ペンなどで印をつけると安心です。
校正のポイント3
続いて、「人名」「その人の所属名」のチェックです。これも、8ページ分、ひたすら「人物名」だけを正しく表記できているか確認していきます。文章は読まず、人物名のみの確認です。医師の名前、その医師の所属など掲載しているものを集中して確認していってください。人物名の漢字を間違えていないですか?顔写真と名前の組み合わせがあっていますか(顔写真に別人の名前を並記していませんか)?肩書は正しいですか(医長が医員になっていませんか?)などのチェックです。ここでも、確認が終わった箇所には、蛍光ペンなどで印をつけてください。
校正のポイント4
次に、住所や電話番号、診療科名など基本的な「データ欄」の確認をお願いします。絶対に間違うことが許されないデータ欄に焦点を当てて8ページ分チェックしていきます。ここでも、8ページいろいろな箇所に出てくるデータだけを集中して確認することで、間違いが発見しやすくなります。確認が終わった箇所には、蛍光ペンなどで印をつけてください。
校正のポイント5
「写真」だけを集中して確認してください。全部のページの写真だけを見ていきます。「間違って違う場面の写真が載っていないか」「写真に写っている人のトリミングが不自然な場所で切れていないか」など、写真をチェックしてみてください。もし載せたくない背景(散らかった机など?)を見つけた場合は、トリミングを変える修正などをしなくてはなりません。
校正のポイント6
ここでようやく「最初から最後まで順番に読んでいく」という作業に入ります。その際、上記1から5までの工程を経たことで、固有名詞、人名、住所データなどの事実確認やページ数、診療科名などの部分のみ蛍光ペンで塗られているはずですので、その部分には、もう間違いがありません。あとは、全体を通して「誤字や脱字」「まぎらわしい表現がないか」の確認です。つまり「日本語として表現に違和感がないかどうか」「誤字・脱字がないか」などを読むだけでOKです。
いかがでしたか? 校正をするとき、いきなり原稿を最初から読み始めてしまうと人物名の表記確認をしたりしなかったり診療科名の確認をしたページとしないページが出てきたりしがちです。校正は、その確認ポイントの「種類別」に全ページ一気に確認してみてください。そうすると、意外に間違いが発見しやすくなるのです。