BLOG 『広報誌づくりの困った!を解決』

2025年には超高齢化社会に突入
医療・介護業界の人材不足が課題

2025年には超高齢化社会に突入するといわれています。1947~1949年生まれの「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者となり、国民の5人に1人が後期高齢者になるためです。また、総務省統計局が2024年5月4日に発表した「人口推計」によると、2024年4月1日時点での日本の総人口に占める15歳未満の子どもの割合は11.3%となり、過去最低を更新しています。この超高齢化社会において最大の課題とされているのが、労働力人口の減少です。現在でも医療・介護業界の人材不足が叫ばれていますが、今後はあらゆる産業で人材不足となり、採用競争はさらに激化すると予測されています。


一方、後期高齢者になると病気やけがのリスクが高くなるため、他の世代よりも医療・介護費が必要になります。平均寿命が延びているため、認知症にかかる人の数も年々増えています。医療・介護を必要とする人が急速に増えているのに、深刻な人材不足で供給が追いついていないため、現場にさらなる業務負荷がかかってしまいます。将来の医療崩壊を防ぐためにも、国レベルでの対策が急務となっています。

人材確保と健康寿命延伸のため
医療・健康を若者の“自分ごと”に

貴院でも、若い医療・介護人材を獲得するために、採用から福利厚生、待遇の改善などさまざまな対策を実施されていることでしょう。しかし中・長期的には、将来の医療・介護を必要とする人の数を少しでも減らすことを併せて考えていく必要があります。つまり、健康や医療に対する関心をもっと幅広い人たち、とくに若い世代にもってもらうことです。それが、医療や介護に従事する若い人を増やすことにもつながります。

その有効な手段として、病院広報誌をフルに活用することをご提案します。現時点では貴院の患者さんの多くが高齢者であったとしても、広報物に若い世代の興味・関心を引くようなコンテンツを戦略的に入れていくことをおすすめします。例えば、若い人たちの間で急増している病気の解説やその予防方法、美しく健康な体をつくる・維持するための情報などが考えられます。活躍している若い医療・介護スタッフの紹介などもぜひ取り入れてみてください。


若い世代に広く支持されている
SNSとの組み合わせも検討を

10代~20代にアプローチするためには、リアルさと共感性が大切だと言われています。X(旧Twitter)やInstagram、TikTok、YouTubeなどのSNSと組み合わせた情報発信や、体験型コンテンツによる双方向のコミュニケーションも考えていく必要があります。

とはいえ、こういったインターネットやSNSのようなプル型のメディアは、見つけてもらうための広告との併用が前提となり、かなりの労力とコストがかかります。対して紙の広報誌はプッシュ型メディア。「見つけてもらう」必要はありません。紙の広報誌で認知を促し、プル型メディアで双方向のコミュニケーションを取るという使い分けがおすすめです。

 

 

緊急性は低いかもしれませんが、未来の医療・介護を守るためにも、若い世代に向けた医療や健康についてのコンテンツを、積極的に広報誌などで発信してはどうでしょうか。「どんなコンテンツがいいのか分からない」という場合は、若いスタッフによる編集チームを発足させてみるのも手です。若いスタッフにアンケートやインタビューをしてリアルな意見をいただいて、コンテンツなどに生かしていきたいですね。