
病院広報誌を制作する際、どんな方が実際に手に取っているか、読者に貴院の思いが伝わる内容になっているか把握されていますか。読者ターゲットをしっかり分析してから制作すると、より良い紙面に近づいていきます。
緊急度が高い、または重症の患者様がいる急性期病院と、地域包括ケア病棟を備えており慢性期の患者様が多い病院では、読者ターゲットや伝えたい内容も違ってきます。それぞれの特性を踏まえて、より読まれる病院広報誌にするための工夫を2つお伝えします。
病院が伝えたいことをビジュアル化して表紙にする
急性期医療を提供し、地域医療を支えている基幹病院を例に考えてみましょう。地域の診療所などの病院と医療連携しており、患者様に切れ目のない医療を提供するため、より地域医療連携に力を入れていきたい方針とします。その方針をビジュアルに落とし込めるよう工夫して、表紙にすると読者に伝わりやすくなります。
例えば、「地域の輪でつながっている」ことを視覚的に表現するために、表紙に登場いただく医師の方々には手を差し出すジェスチャーにご協力いただき、差し出された手の上に「地域の病院と基幹病院がつながっている輪」を模した、病院のロゴと地域の病院をイメージしたいくつかの円が入った輪のデザインを入れます。
表紙をキャッチ―な見せ方にすると、読者の目を惹きやすくなり手に取られやすくなります。さらに「地域連携を活性化させたい」というコンセプトを、明快に印象付ける効果も。貴院が伝えたいことは何か改めて整理して、文章以外の方法で伝えるためにはどうしたらいいかアイデアを出してみてください。
貴院の患者様に合わせて文字組みを見直す
貴院に来院される患者様の年齢層に合わせて、文字の大きさや行間などの文字組みを決めていますか。
例えば、地域包括ケア病床がメインの場合、高齢の患者様やそのご家族の来院が多くなります。高齢者にとって、小さな文字は読みにくいもの。文字は12ポイント以上と大きめに設定し、使うフォントも細すぎないものを選びましょう。行間は文字の大きさの2倍前後で設定すると、詰まりすぎず読みやすいレイアウトになります。また、ページごとに文字の大きさや行間が不揃いになってしまうと、読みにくい紙面になってしまいます。貴院の広報誌でも、患者様の年齢層に合わせた文字んの組み方を決めたら、なるべく統一するようにしましょう。他院の広報誌を参考にしてみるのも一考です。
1ページの中に入れる文章が多すぎると紙面に文字が詰まって見え、読みにくいレイアウトになってしまいます。写真やイラスト、図解を入れ、余白を組み込んで紙面を構成しましょう。
読者の目線に立って広報誌を制作することで、重要な情報や貴院の思いが伝わりやすくなります。貴院の理念や方針、取り組みが浸透するように“伝わる”広報誌を目指しましょう!