そもそも色校正とは?
本印刷に入る前の試し刷りのこと。ロゴマークや写真などの発色を確認する工程を指します。デザインや記載内容を見るのではなく、主に「色」だけを確認する校正であることがポイント。
色校正は主に3種類あり、本印刷と同じ紙・インク・機械で印刷する「本機本紙校正」、本印刷と同じ紙・インクで校正用の機械で印刷する「本紙校正」、本印刷とは異なる紙・インク・機械で印刷する低コストの「簡易校正」があります。
色校正は何をチェックすればいい?
校了して一段落した後の作業である色校正。病院広報誌の担当者からよく聞かれるのが「どこをどうチェックしたらいいか分からない」という質問。色校正がなぜ必要なのかがよく分からない、そんな担当者が意外と多いのです。しかし、色の再現性や写真の明るさなどは、誌面の質に大きく影響します。ここでしっかり確認し色調整を行うことでクオリティーがぐっとアップしますよ。ここでしっかり覚えておきましょう。
【色校正が必要な理由 】
①モニター上の色が正しいとは限らない
モニターはRGB、印刷はCMYKと、色の原理が異なります。CMYKの色の再現できる色数はRBGよりも少ないため、モニターと違った色に見えることがあります。デジカメやスマートフォンで撮った写真が、紙に印刷されると暗く感じるのはこれが理由です。また、パソコンの機種や明るさ設定の違いも誤差の原因の一つです。そのため、紙に出力して確認する色校正で色の確認を行う必要があります。
②プリンターと本印刷の誤差
会社にあるプリンターと印刷会社の印刷機では、仕組みが違うため仕上がりも異なります。
③照明条件の違い
例えば白い色蛍光灯と黄みがかった蛍光灯の下では、白い紙であっても見え方が異なるように、照明条件でも左右します。
④紙種による違い
例えば新聞と雑誌に同じ写真を載せたとしても、見栄えが全く異なります。紙種によっても発色が左右します。
これらの誤差をできる限り小さくするためにも、色校正で確認すると安心ですよね。
「本機本紙校正」ができればベストなのですが高コストなので、誤差を見越して「本紙校正」や「簡易校正」を選べば、コストを抑えることができます。
それでは、以上のことを踏まえて色校正のチェックポイントを説明します。
【色校正のチェックポイント 】
①写真・図版の確認
・ロゴマークの色の再現性
ロゴマークや病院のロゴが違う色に見えていませんか? 重要な部分ですので必ず確認しましょう。
・人の顔色
先生の顔色や、患者さんの顔色など、誌面に登場するすべての人の顔色を確認しましょう。特に病院広報誌では、健康的なイメージは必須です。撮影したときの照明の具合などで顔色が悪く見えている場合は、健康的な顔色に調整しましょう。
・写真の調子や平網の発色
写真の調子とは、主に写真全体のメリハリを補正しているものと理解しましょう。メリハリが強すぎるとキツい印象を与えてしまいます。病院広報誌として適した雰囲気の写真に印刷されているかチェックしてください。
②文字の確認
・見やすい文字色か
デザイナーによっては、本文の文字色を黒ではなくグレーや、さまざまな色を織り交ぜた色に指定していることがあります。子供から高齢者までさまざまな年代が見る媒体として見やすい文字色か、よく確認しましょう。
・文字が修正されているか(文字校正で責了した場合)
文字校正で責任校了した場合、色校正で修正されたかどうかを確認できます。※色校正が出た後に再修正すると費用が発生する場合がありますので、ご注意ください。
色修正の指示は、誰が聞いても分かる言葉で
色校正の指示の出し方は、文字校正と同様に赤ペンで線を引いて記入しましょう。特別な記号や専門用語はほとんどありませんので、修正したい内容と箇所を具体的に指示すればOK。
また誰にでも理解できて、人によって解釈が変わらない表現が理想です。例えば「右の写真の人の顔色をそろえる」「黄みを足す」という伝え方です。ロゴマークなど、より正確な色を指定したい場合は、色見本やカラーチップを付けたり、色番号を伝えれば確実です。 アバウトに伝えてしまうと、思っていることと違う解釈をされてしまうことがあるので気を付けましょう。
いかがでしたでしょうか?
文字校正が終わったからといって気を抜かずに、色校正までしっかりとチェックしましょう!