BLOG 『広報誌づくりの困った!を解決』

以前、当ブログでお伝えした「ユニバーサルデザイン」はお読みいただけましたでしょうか。

色覚障がいの人や、目にさまざまな不調があり、色の認識がしづらい人のことを考慮して「色のバリアフリー」を目指す概念を近年「カラーユニバーサルデザイン」と呼んでいます。

 

 

病院広報誌こそ、色のバリアフリーを!

病院広報誌は、一般的に淡くやさしい色づかいのデザインが多いですが、果たして、貴院の広報誌は「色のバリアフリー」の概念を考慮して作られているか、今一度、デザイナーや制作スタッフに確認してみましょう。

というのも、私達は仕事柄、弊社が手掛けているもの以外でもさまざまなクリニックのパンフレットや広報誌を目にする機会が多いのですが、2018年現在、まだまだ、この「カラーユニバーサルデザイン」を意識した冊子づくりが浸透していないように思います。

 

特に気になるのが、病院広報誌の裏表紙などに掲載されている「地図」です。クリニックの「場所」を読み手に示す重要な情報であるため、どんな方でも、間違いなく読み取ってもらわなくてはなりません。

 

 

 

 

 

 

あなたの広報誌の地図は大丈夫?確認してみよう!

例えば、以下のような地図を掲載していませんか?

1)クリニック近辺の入り組んだ道路の判断を「色分け」だけに頼ってデザインし、掲載している

2)クリニック周辺の情報(交差点名や目印となる建物の名前)を隙間なく載せている

 

1は、色覚障がいの方には、とても分かりづらい状態です。似た色の道路が交差していると、混同してしまいます。

2も、注意が必要です。通常「地図には親切にたくさんの情報が載っていた方が迷いづらい」と考えがちですが、そうではない人もいるのです。縦書き、横書きの文字が複雑に入り組んでいたり、情報過多になっている場合は、情報の取捨選択、情報と情報にわかりやすく隙間を作るなど工夫をしてみてください。

 

近年では、色覚障がいの方々がどのように見えているかをスマートフォンのカメラを使って確かめられるアプリもあります。

アプリを通じて、スマホのカメラを貴クリニックの広報誌にかざしてみてください…。

表紙で「新緑」の木々の写真を載せている場合、それがどう映るのかご存じでしょうか…。

それを知ることで病院広報誌ご担当者様の意識も、きっと「ユニバーサルカラーデザイン」へと向かうはずです。

 

 

ちなみに、ユニバーサルカラーデザインに古くから取り組む東京都文京区の公式サイトは、ご覧になったことはありますでしょうか?

東京都文京区の公式サイトはこちらから⇒(http://www.city.bunkyo.lg.jp/

 

サイト上部にある色のコントラストを切り替えるボタンをクリックすると、色覚障がいの方も確実に読みやすいような色彩に変わります。

ウェブサイトではこのような方法が可能ですが、広報誌ではなかなか難しいですよね。せめて、地図など、確実に間違いなく届けなくてはならない情報は、意識してデザインしていきましょう。