病院広報誌や院内広報の担当になったものの、「医療広報誌担当者の仕事って何だろう?」「何をすればいいの?」と疑問や不安を感じてはいませんか?
医療広報誌発行業務は、広報を主業務とする広報部ではなく人事部や経営企画部、地域医療連携課などで対応している病院さまも少なくありません。
では、医療広報担当者にはどんな役割が求められているのでしょうか? 今回は少し噛み砕いてご紹介したいと思います。
医療広報誌担当者の仕事とは?
その1 監督である
医療広報誌担当者として、発行媒体に責任を持つ、言わば「監督」でなくてはいけません。
例えば、準備段階で「どんな媒体で発行するか?(紙で発行するか、電子書籍で発行するか)」「発行頻度(月刊、隔月、季刊)はどの程度が適当か?」「どんなサイズ(A4版やB5版など)で発行するか?」など病院広報の基本的な事柄の決定に携わります。制作では「どんな情報を伝えるべきか?」「情報をどんな方法で伝えるか?」などの企画を立てたり、カメラマンやデザイナーなどの各クリエイターと協力しながら医療広報誌の制作を進めます。このように、医療広報誌担当者はすべての医療広報誌の制作を統括する現場監督のような役割を担います。
しかし多くの方が他業務と兼任で医療広報誌担当者をされているのが現状です。つまり医療広報誌担当者には、そんな忙しい中でも目的を持って制作を押し進めていく行動力と決定力が求められます。
その2 翻訳者である
伝えたい情報をそのまま伝えても、読者になかなか届かない場合があります。例えば医療専門用語ばかりで難しかったり、イラストや写真のない文章ばかりのもの…。これでは読者も読む気になりませんよね。
医療広報誌担当者は、できるだけ読者に読んでもらえるよう、伝えたい内容を読みやすく「翻訳」する役割を担っています。
具体的には分かりにくい内容をQ&Aで伝えたり、難しい言い回しの文章を読みやすい平易な言葉に言い換えたり、必要であれば魅力的なイラストや写真で訴求したりなど…ご担当者のみなさまは内容に合わせてさまざまな工夫をされています。大切なことはターゲットである“読者目線を忘れないこと”。医療広報誌担当者は常にこのことを忘れずに広報誌を制作する必要があります。
その3 ご意見番である
医療広報誌は発行して終わり!ではありません。医療広報誌は「定期発行物」であることが大きな特徴です。定期発行物である医療広報誌は次号でさらに質を向上させたり、足りなかった部分を改善していくことができるのです。
時には院内の同僚に広報誌についての意見を伺ってみる、アンケートを実施して読者の意見を反映してみるなど、どんどんブラッシュアップしていくことを心掛けましょう。
医療広報誌担当者は直接制作に携わるからこそ、いろんな意見に耳を傾け、客観的な視点を忘れないことが大切です。
その4 パイプ役である
医療広報誌発行の目的は、病院と地域や近隣医療関係社、患者さんスタッフや家族などとの関係をより良い関係に導くことです。
医療広報誌は、病院と患者さんをつなげたり、時には病院経営者とスタッフといった院内の縦関係をより良い方向へ導き、さらには地域や近隣医療関係者の横のつながりを豊かなものにしてくれます。これは医療広報誌担当者の最大のやりがいであり、魅力の一つでもあります。
「医療広報誌の担当者なんてめんどくさい」と思われるかもしれませんが、ご担当者のみなさまが制作する医療広報誌は新たなつながりを生み出す可能性を秘めた媒体です。ご担当者さまのやる気次第で可能性は無限に広がっていきますので、ぜひ前向きに取り組んでみてください。
いかがでしたでしょうか? ぜひ今回ご紹介したポイントを意識して制作してみてくださいね。
【執筆者】ディレクター 後藤