他院の広報誌を見て「いいな」と感じた部分を、自院でも取り入れたいと思うことはよくあります。新しい要素を積極的に取り入れる姿勢は素晴らしいですが、その要素が「自院の広報誌にマッチするか」についてしっかり検討しましょう。
病院広報誌は、読者ターゲットや目的にそって媒体コンセプトがあり、基本的にはそのコンセプトのもとで編集されているので、他院の広報誌や市販の雑誌などで「いいな」と思った要素が、自院の広報誌にマッチするとは限りません。他の媒体にある要素をそのまま取り入れる際は、以下のような観点で検討することをおすすめします。
「かっこいい」印象の写真は、文章・レイアウトとの相性次第

例えば、医師の真剣な表情を陰影のあるライティングでドラマチックに撮影した写真。まるで俳優のポートレートのようで魅力的に見えますね。
しかし、ドラマチックな写真を使うのであれば、コンテンツもその写真に合う内容にする必要があります。例えば、医療のプロフェッショナルとしての真髄に迫るようなインタビューや、医療ドキュメンタリー調の記事に添えるのであれば、写真と内容がマッチして読み応えのあるコンテンツになります。
ところが、医師本人が執筆した簡単な挨拶文や、普段の趣味などを紹介するプロフィールのような、ライトなコンテンツに添えるとなると、あまりにも内容と写真がちぐはぐになってしまいます。

ところで、ファッション雑誌などは、少し物憂げな表情で雰囲気のある写真が並んでいます。しかし、こういった写真は誌面設計とセットで考える必要があります。余白のあるレイアウトで紹介されているととても洗練されたセンスを感じさせますが、狭いスペースに要素を詰め込まなくてはいけない場合は、せっかくの写真が生きません。
写真は単体で完結するものではなく、文章・レイアウトとの相性が重要です。「かっこいい写真を使うこと」自体を目指すのではなく、その企画の目的やコンセプトを明確にして、どんな写真を撮るべきかを検討する必要があるのです。
ミニコンテンツは、誌面全体のバランスに注意!

クイズやワードパズルのような「ミニ企画」は読みやすくて魅力的ですね。発行時期を問わず掲載でき「あと少しだけページが埋まらない」という時にも役立つコンテンツなので、誌面の構成をやりくりする側にとってはとてもありがたい存在です。
しかし、こうしたコンテンツも、誌面全体の中で役割を持って配置されていることに注意しましょう。
例えば、外来患者の「待合対策」という目的で発行している広報誌の場合、読み応えのある記事ばかりでは疲れてしまいます。ところどころに気軽に取り組めるクイズなどのコンテンツは、「箸休め」としてとても重要です。
しかし、ビジュアル重視で洗練されたえりすぐりの写真を中心にして、文章は最低限に絞っているような広報誌の場合、クイズやワードパズルを入れることで媒体としてのコンセプトがぶれてしまったりします。
コンテンツ単体ではなく、そのコンテンツが誌面の中で何を担っているのかという点まで含めて考えることが大切です。
「いいな」と新しい要素を盛り込もうとするそのチャレンジ精神はとても尊敬に値します。「これいいな」を自院の広報誌に入れる場合はどう入れれば媒体コンセプトに合うのか、特性をふまえて取り入れ方を検討してみましょう。その一手間が、クオリティとオリジナリティを両立させた広報誌へと導いてくれます。