患者さんや地域の方へ向けた病院広報誌で扱う情報は「病院側から患者さん・地域の方へ」というベクトルで固定されがちです。診療科・部署の紹介や取り組みの説明は大切ですが、当事者からの一方的な情報発信ばかりでは、客観的な視点に欠け、共感性が低くなってしまいます。
そこでおすすめしたいのが「外部から自院がどう見えているか」という別のベクトルの情報を取り入れることです。第三者の言葉は病院の姿勢や取り組みを立体的に伝えてくれるので、患者さんに信頼されやすく安心感をもってもらう効果もあります。
今回は、病院広報誌に取り入れやすい企画アイデアをご紹介します。
連携する医療機関との信頼関係をアピール

地域の連携医療機関を紹介する際、所在地や診療内容の紹介に加え、連携の中で得たエピソードや信頼関係について、自院と連携先のスタッフでお互いに紹介し合ってみましょう。
「紹介した患者さんの状況をきめ細かく共有いただき、助かっている」「窓口の方にいつも快く対応してもらっている」といった内容を伝えて日頃から密に連携していることをアピールすれば、患者さんにとっては紹介・逆紹介されるときの安心材料になります。
研修医として過ごし、巣立った医師たちへインタビュー

臨床研修病院の指定を受けている場合は、元研修医へのインタビューを検討してみてはいかがでしょうか。現在各地で活躍している医師に、研修医時代に感じた病院の魅力、学んだことや印象に残っている指導、成長を実感した経験を振り返ってもらいます。病院の内側をよく知り、苦楽を過ごした人の言葉は、教育体制の充実や病院の風土を自然にアピールしてくれます。未来の研修医や地域の方にとっても、病院の価値を感じられる内容になります。
患者さん・地域の方とのコミュニケーションの場をつくる

患者さんや地域の方の視点で寄せられた声は、何よりも身近で共感を得やすいコンテンツです。おすすめは、市民向けの公開講座や健康イベントを実施した際、参加した方に短いアンケートをお願いすること。イベント参加のついでなら協力の負担が少なく、病院もポジティブな感想を紹介すればよい客観的評価を伝える機会になります。広報誌に掲載する可能性については、あらかじめ伝えておくようにしてください。
また「目安箱」を設置している場合は、用紙に「広報誌への掲載にご協力いただける方はチェックを」といった項目をつけておき、チェックのついた用紙に記載された内容を広報誌で紹介してみましょう。苦情やお悩みの場合は真摯に回答し、お褒めの言葉にはお礼を伝えると、患者さんとのコミュニケーションを誌面上に展開できます。
「外の視点」を取り入れるためには、連携医や元研修医、患者さんや地域の方の協力があって初めて成り立ちます。だからこそ、依頼したときに「協力したい」と思ってもらえる、周囲に信頼してもらえる丁寧な関係づくりを日ごろから続けておくことがとても重要です。日々の信頼関係の積み重ねが広報誌の内容を深め、説得力につながっていきます。