BLOG 『広報誌づくりの困った!を解決』

病院広報誌は単なる「病院からのお知らせ」ではなく、患者さんや地域社会との重要なコミュニケーションツールとなります。しかし、実際の制作現場では“情報がなかなか集まらない”“院内の協力が得られない”といった課題に直面することも少なくありません。

貴院の取り組み状況はいかがでしょうか。制作担当者が孤軍奮闘状態となっていては、病院広報誌はブラッシュアップされていきません。自然と情報が集まり、協力が生まれる土台を築くことが不可欠です。

 

取材協力が重荷にならないためには

原稿の協力依頼をしていると“忙しいから対応できない”と断られた経験もあるかと思いますが、依頼先の担当者が断る理由は、本当に“忙しさ”だけが原因なのでしょうか。多くの人が「原稿作成=手間がかかる」という先入観を持っています。中には文章を書くことが苦手で重荷と感じる方もいることでしょう。依頼はメールで済ませるのではなく、直接対面して発行に向けた想いを伝えることが大切です。そして、企画書や寄稿してほしい詳細(内容・文字数・写真イメージ、提出期限など)を具体的かつ簡潔に共有しましょう。また、執筆者の負担を減らすために、簡単な質問形式の原稿シートの作成やWEB上で回答できるアンケートフォームなどを用意しておくことで、さらに協力へのハードルを下げることができます。

 

ネットワークを広げて情報のタネを育てる

情報収集おいて苦労するのは、院内の協力者が育っていないことが原因かもしれません。広報物の作成は制作メンバーだけで完結するものではなく、院内にいる多くのスタッフを巻き込む視点が必要です。各科・各部にネットワークを広げて、情報提供をしてくれる協力者をつくりましょう。協力者の任務は、取材や文章作成といった重い作業ではなく、“医師の状況や最近の取り組みなど、旬な情報を共有してくれること”がミッションです。スムーズな進行のためにも、情報源となるタネが育つように日頃からコミュニケーションを取り、種まきをしておくことがポイントです。

協力者へのアフターフォローも大切に

皆さんに快く協力してもらうためには、単に依頼して終了!ではなく“協力して良かった”と感じてもらうことも重要です。完成した広報物は直接渡しに行くことはもちろん、その後の反響を共有するなど、フォローを欠かさないことで制作チームの取り組みの浸透にもつながります。携わった人たちがプロセスに満足してくれれば、次回以降の協力を生む強力なモチベーションにもなることでしょう。


病院広報誌は、情報発信をするだけのものではなく、人と人をつなぐものでもあります。制作担当者としての活動の成果は、「院内での信頼関係の構築」という形でも現れることを忘れてはいけません。院内での協力体制づくりは、病院全体のコミュニケーションの活性化にも結びつけることができる、重要な役割も担っています。広報はチーム戦! 抑えるべきポイントを意識して、皆さんの活動を院内に広めて協力者を増やしていきましょう。