病院広報誌の制作する際、悩みのタネといえるのが「特集企画をどうしよう…」というもの。悩む理由としては「特集にできるような大きなニュースがない」ということが多いかもしれません。しかし、新病棟オープンや最新医療機器の導入などのビッグなニュースだけが、特集企画のコンテンツになるわけではありません。
いつも「お知らせ」や「インフォメーション」などのコーナーに入れてしまっている比較的小さめのニュースも、編集の仕方でキラッと光るコンテンツになるのです。 「お知らせ」に全部入れてしまってはもったいない! ぜひお知らせを特集内容に”格上げ”してみませんか。
「お知らせ」を特集記事にするには
お知らせしたいことをそのまま文章化して掲載すると、当たり前ですが単なる「お知らせ」になってしまいます。お知らせを特集記事にするためには「切り口を決め」て「記事を構成(編集)」し、「原稿をつくる」という3つの作業が必要になります。
例えば、貴院の栄養士が病院食の料理コンテストに応募し、見事グランプリを受賞したとします。「当院の栄養科に所属する栄養士が病院食コンテストでグランプリを受賞しました。受賞メニューは●●●です。当院ではそのレシピをご希望の患者さんに配布いたします」などとしてしまうと、単なるお知らせにしかなりません。
1.展開する切り口を決める
上記を特集記事にするために、まずは切り口を考える必要があります。
例えば…
① 料理コンテストへの参加を決め、グランプリを得るまでに至った経緯をドキュメンタリー風に紹介
② グランプリ受賞メニューとレシピ紹介をメインにして、レシピ開発に至ったストーリーをサブコンテンツとして掲載
③ 病院で働く栄養士のお仕事紹介をメインにして、サブコンテンツとして今回のグランプリ受賞にも触れる
など、いろいろな切り口が考えられます。
今回は、上記②のメニュー紹介メインの切り口で展開することにします。
2. 要素を決めて構成(ラフレイアウト)をつくる
この記事の中で必要な要素は以下になります。
① グランプリ受賞メニューの写真とレシピのテキスト
② レシピ開発に至った経緯の写真とテキスト(料理コンテスト参加と受賞の経緯も含め)
③ 受賞者の写真とレシピへの想い(テキスト)
④ 実際に食べてみた患者さんの感想など
必要な要素が決まったら、これらの要素をどのように誌面に配置するのか、構成を決めてラフレイアウトを作成しましょう。なお、レイアウトとは誌面の構成のこと。写真はどのくらいの大きさで何点、テキストは何文字くらい入るか、見出しはどこに何文字入れ、リードはどのように何文字入れるかなど、誌面の詳細を決めていきましょう。
3.原稿を作成する
ラフレイアウトが描けたら、その構成にそって原稿を書き、写真を用意します。原稿を書くときに気を付けることは「患者さんが読んだときに、どんなメッセージを受け取ってくれそうか」「伝えたいことはちゃんと伝わっているか」などを第三者目線で考えることです。
きっと患者さんが読んで「おもしろかった」「ためになった」「病院で働く人たちに魅力を感じた」と思ってもらえるような、特集記事になることでしょう。
病院広報誌も、魅力あるコンテンツで惹きつける時代です。読者である患者さんが「知りたい」と思っているコンテンツを掲載し、広報誌のファン、最終的には病院のファンを増やしていってください。