院長や理事長など病院トップのあいさつや、新任医師の着任あいさつは、病院広報誌の定番企画として、何度も掲載している媒体が多いと思います。
しかし、定番といっても、毎号決まった形式での掲載を何度も繰り返していると、結果的に毎回似たような内容ばかりになり、読者にとっても飽きが来てしまいます。
絶えずそのコーナーがある意味や、そのコーナーで伝えたいことを点検し、工夫を加えていくことが、読み応えのある紙面作りの秘訣です。今回は、定番の「あいさつ」コーナーの中でどのように差をつけていくか、その方法を考えましょう。
・理事長、院長のあいさつは「思い」を届けることに注力!
病院トップのあいさつコーナーでは、単に病院の指針・方針などを扱うだけではなく、そこにある思いを伝え、共感を呼ぶ工夫をすることが大切です。
たとえば創立◯周年のあいさつなら、本文は活字で掲載しつつ、病院の抱負やその年の方針をペン字・筆字で掲載することで情感豊かに「思い」を伝えることができるでしょう。
また「今年の方針を院長にインタビュー!」と題し、質問に答えてもらうQ&A形式とすることも変化をつける工夫の一つです。Q&Aの場合、「Q」が明確であればそれぞれの「A」が端的にまとまりやすく、読者に要点が伝わりやすくなります。
写真の見せ方についても、毎回手を前に組んだ品のいいポーズにするのではなく、身振り手振りを交えて話している様子を撮ったインタビューカットとすることもよいでしょう。落ち着きのあるポーズの写真を掲載し、病院トップとしての威厳を見せることも大切ですが「伝えよう」としている姿勢が写真から見えれば、読者もそこに病院のメッセージがあるということを認識しやすくなります。
貴院の熱意が、より読者に届きやすくなる工夫を行っていきましょう。
・新任医師の紹介は堅苦しさを避ける!
あいさつ文とともに、所属学会などを並べてその先生の経歴を端的に紹介することも、もちろん医師紹介の目的の一つです。しかし、それだけだと堅苦しくなることが多いという点で、お悩みの担当者様も多いのではないでしょうか。
患者にとって、所属学会の羅列では紹介として伝わりにくい面があります。そのような「肩書」の紹介ではなく、「医師を目指した理由」といった自身の内面について語ってもらうことで患者に親しみやすさと安心感を与えることができます。新任医師にとっても、初心に立ち返ってもらうことが効果として期待できます。
また、プライベートのことも含めて「一問一答」形式で趣味などについて答えてもらったり、「他己紹介」として他の医師に短く紹介コメントを寄せてもらったりすることも、その医師の人となりを知る上で効果的です。
このような工夫を号によって使い分ければ、同じコーナーでも変化を付けていくことができます。医師が「どんな人か」に関する情報を伝え、堅苦しさを低減して、読者がその医師のことを楽しみながら知ることができるようにしましょう。
毎回同じことを繰り返すのではなく、このような工夫を重ねることで、読者にも飽きずに広報誌へ目を通してもらいやすくなります。少しずつ変化を付け、読者に毎号楽しんでもらえる紙面を目指しましょう!