医療広報誌を発行するにあたって、患者さん向けや地域医療連携を目的としたものなど、ターゲットによって掲載内容を工夫する必要があります。
以下ではどのような点に注意して掲載事項を決めたらよいのか、ポイントをご紹介します。
なんとなく掲載事項を決めて発行していませんか?
患者さん向け広報誌と地域医療連携誌の大きな違いは“ターゲット”にあります。
どんなに優れたコンテンツであっても、時間をかけて取材撮影した内容であっても、ターゲットに合わせた内容でなければ、貴院の伝えたいことは届きません。
今一度、貴院にはどのような患者さんが多くいらっしゃるのか、連携している医療機関や医療従事者にはどのような方々がいらっしゃるのかを振り返ってみてください。情報を整理した上で、掲載事項を決定することで貴院らしさを表現できる広報誌に一歩近づくことができるでしょう。
定番トピックもターゲットに合わせて切り口を変えましょう
栄養士からの料理レシピや健康管理におけるアドバイスなど、“食”のテーマは病院広報誌定番企画の一つです。
では、患者さん向けと地域医療連携向けではどのように切り口を変えたら良いでしょうか?
まず患者さん向けの場合、生活の中で“食”を楽しんでもらうための情報発信してみるのはいかがでしょうか?
<患者さん向け掲載案>
・レシピを紹介するとともに、食材の栄養素、他の食材との相乗効果など効果的に栄養を取るためのアドバイス。
・季節の食材を目で見て、食感で楽しむための調理方法。
・四季や行事を通じたイベント食のお知らせ。
一方で、地域医療連携誌の場合は、上記のような患者さん向けの情報はすでに知っていることがほとんどであり、切り口を変える必要があります。
<地域医療連携向け掲載案>
・きざみ食、ミキサーを使ったペースト食、とろみ剤の活用方法など、誤嚥を予防するための工夫や対策。
・イベント食を提供するにあたって工夫していること、職員がどのようにかかわっているのかなどのアイデア。
・多職種での連携。
上記のように、患者さんに対してどのような工夫を取り入れて食事を提供しているのかを紹介してみましょう。患者さんの状況に合わせた食事提供方法は、当たり前のことに感じられるかもしれませんが、地域の皆さんの健康を支えている貴院の存在を、広報誌を通じて積極的に伝える機会にすることをおすすめします。
他にもチーム医療で取り組んでいるのであれば、コンセプトやメンバー構成も含めて紹介すると、より貴院の雰囲気を伝えることができます。
ターゲットに情報を届けるためには、掲載事項の切り口に一工夫する重要性がお分かりいただけたのではないでしょうか?
広報誌制作にあたっては、院内職員の皆さまの協力が必要になります。取材した内容、寄稿文をしっかりターゲットに届けるためにも、協力して良かったと職員の皆さまに思っていただくためにも、掲載事項検討時の下準備を大切にしてみてください。きっと院内外で良い循環が生まれることでしょう。