多忙な医療従事者は、病院広報誌の原稿を依頼されても、まとまった量を書く時間を確保できないことが少なくありません。広報誌の担当者の中には、原稿の依頼時に「締め切りまでにこんなに書けないよ」と言われてしまった経験をお持ちの方もいらっしゃると思います。
忙しい中でも原稿を書いてもらいやすくなる工夫の一つが「原稿の分担」です。執筆者の数を増やし、一人あたりの原稿量を減らすことで「その分量なら書ける」と思ってもらえる可能性が高まります。そのためには、多職種や各診療科のスタッフに書いてもらいやすい企画を立てるのがポイントです。
春に発行する号なら、例として「花粉症予防」というテーマが考えられます。身近な不調に関する医療機関からの情報は、信頼できるソースとして読んでもらいやすいというメリットがあります。
「花粉症予防」を多職種で分担執筆!

1ページの「花粉症予防」コラムを3人のスタッフ(看護師・管理栄養士・薬剤師)に書いてもらう場合、少ない分量でもポイントを押さえた内容になるように、以下のようにおおまかな要点を提示した上で依頼できると理想的です。
1) 看護師 【実用的な花粉症対策】患者さんからよく聞く困りごと(「夜、鼻づまりで眠れない」「外出後どんな対策をすればいいか分からない」)→ 日頃からできる工夫の紹介や、ストレス・睡眠との関係に触れる
2) 管理栄養士 【食生活での予防】
花粉症と免疫力の関係を簡単に伝える→ 免疫力アップや症状軽減に効果が期待できる食材の紹介
3)薬剤師 【予防を含む服薬の注意点】
花粉症は薬による初期療法に効果があることの紹介→ 市販薬と処方薬の違い、飲み合わせなどの注意
1ページに900字分の文章を掲載する場合、3人で分担すれば、1人あたりの原稿量は約300字になります。300字といえば原稿用紙1枚に満たない分量なので、執筆に対する心理的な負担はそれほど多くないでしょう。
全体としての文章ボリュームは少なくありませんが、執筆者ごとに視点が切り替わるため、単調な印象にならずに読み進められます。それぞれの担当者ごとに小見出しを入れると、さらに読みやすくなります。
なお依頼時には、書いてほしい要点とともに「患者さん向けの1ページ企画です。必要な情報はしっかり押さえつつ、読みやすさを重視して書いてください」のように、ターゲットと難易度を具体的に伝えることをおすすめします。
執筆者が複数人になると、連絡や調整が増えて大変になるのでは…と心配な方は、原稿収集時にWebフォームの活用を検討してみては。原稿をWebフォームで集めれば、執筆者との連絡工数を減らせます。
広報誌制作は、担当者の負担が大きすぎることがネックといわれています。長く続けるためには、執筆者の協力を得やすくする工夫を積極的に取り入れていきましょう。