
病院広報誌の制作時に「写真だけでは少し硬いかな」「もう少し柔らかく伝えたい」と感じたことはありませんか? そんなときに活躍するのがイラストです。医療情報という専門的な内容を、読者にわかりやすく、そして興味をもって読んでもらうために、イラストはとても有効なツールです。
1 イラストの効果
病院広報誌にイラストを使用すると、さまざまな効果があります。
⚫︎情報をわかりやすく伝えることができる
医学用語や検査内容、治療の流れなど、文章だけでは理解しにくい内容も、イラストを添えることでぐっとイメージしやすくなります。例えば「検査の流れ」など、写真では表現しにくい部分も、イラストなら整理して見せることが可能です。また、症状の出方などを説明する場合も効果的です。
⚫︎読者の心理的ハードルを下げる
病院の情報というと「難しそう」「専門的過ぎる」という印象を持たれがちです。しかし、柔らかいタッチのイラストを入れることで、誌面の雰囲気を和らげることができます。
⚫︎病院のイメージを印象づける
どんなイラストを使うかは、病院のイメージづくりにも関わります。小児科中心なら明るくかわいらしいタッチ、専門性の高い病院なら清潔感や信頼感を重視した落ち着いた線画など、イラストの雰囲気一つで「あたたかい」「信頼できそう」といった印象が自然と伝わリます。
2 イラストの使いどころ
イラストを誌面のどこに使用するかは、広報誌づくりのカギになります。
●導入部(見出し・アイキャッチ)
読者が手に取ったときに興味を持ってもらえるよう、タイトル横のワンポイントとしてイラストを添えましょう。連載企画なら、毎号同じテイストのカットを使うことでシリーズ感を出すのもおすすめです。
●図解ページ・Q&Aコーナー
体の仕組みや検査の流れ、症状の特徴など、専門的な内容はイラストが適している場合が多くあります。ただし、医学的な正確性が求められるため、必ず医師の監修を受けましょう。
●コラムやレシピ企画
生活情報などの企画にイラストを添えると親近感が増します。「食材」「季節の植物」など、テーマに合ったモチーフを散りばめると、誌面のトーンも軽やかになります。
3 統一感がデザインの質を上げる
イラストを使うときに注意したいのがテイストの統一です。フリー素材のイラストを何種類も混ぜてしまうと、どうしても雑多な印象になりがちです。
例えば
・線の太さや色味をそろえる
・病院のブランドカラーを意識する
・人物の表情や服装を統一
などを意識して使用すると、誌面にまとまり感を出すことができます。
素材サイトのイラストを使用する場合は、同じイラストレーターの作品で統一すると、誌面全体が洗練されます。
4 オリジナルイラストという選択肢
誌面の内容に合った、オリジナルイラストを描き下ろしてもらうのもおすすめです。「スタッフの似顔絵」「地域の風景をモチーフにした挿絵」など、少し手を加えるだけで「その病院らしさ」を表現でき、読者の印象に残りやすく、病院のブランディングにもつながります。周年号や特別号などの重要なコンテンツは、プロのイラストレーターに依頼してみるのもいいでしょう。
イラストは、単なる飾りではなく、読者との距離を縮める大切な伝達ツールです。専門的な内容をやさしく、病院の想いをあたたかく届ける、そんな広報誌のパートナーとして、ぜひ上手に取り入れてみてください。