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  • 目指せ、ペイシェントハラスメントゼロ!病院広報誌を有効活用できる企画2選

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ペイシェントハラスメント(以下、ペイハラ)に頭を悩ませている病院が増えています。ペイハラを放置すると医師やコメディカルの職場環境の悪化や、精神的な負担につながります。深刻化すれば離職者が増加し、病院閉鎖に追い込まれるという最悪の事態に発展しかねません。そうなる事態を防ぐためにも、病院広報誌でペイハラ防止に向けた企画を掲載してみましょう。

 

ペイハラの増加が集患率の低下につながることも

ペイハラとは、医療従事者が、患者やその家族から暴言、暴力、セクハラなどのハラスメントを受けることを指します。病院での待ち時間に不満を持ち大声で怒鳴る、ミスに対して過剰に反応し土下座を要求する、診療に非協力的な態度を取る、医療費を支払わないなどの迷惑行為が該当します。

ペイハラは、院内だけには限りません。診療は問題なく終えたにもかかわらず、患者やその家族(以下、モンスターペイシェント)が、診療後にネットやSNSにて一方的に低評価をつける場合もあります。また、オンライン診療の場合、対面して話せないことから行き違いが生まれやすく、クレームの原因になることも。ネットでの口コミを参考にして病院選びをする患者さんも多いため、悪意のある口コミが増えてしまうと病院への信頼が失われてしまい、集患率の低下につながります。

このようなモンスターペイシェントへの対応策として、ペイハラに該当する行為を禁止していることを、病院広報誌に掲載してみましょう。掲載にあたり、禁止事項を文章で羅列するだけでは、高圧的な対応と捉えられるかもしれません。患者さんが無意識のうちにペイハラを行っていないか、自分自身を振り返るきっかけになる2つの企画をご紹介します。

 

禁止事項とペイハラのエピソードを掲載する

まずは、ペイハラに対する貴院の対策や取り組みを掲載することから始めてみましょう。ペイハラがあった場合に、病院としてどのような対応を取るのか掲載することで、患者さんとその家族を守ることにもつながります。ハラスメントにつながる行為を箇条書きで分かりやすく記載し「該当する行為があった場合、診療をお断りする場合がある」ことをしっかりと伝えましょう。

 

また、実際に自院で起こったエピソードを載せることも有効です。例えば「予約なしで来院された患者さんが診療順を繰り上げるように高圧的な態度で強く要求してきたが、予約順に案内しているため順番を守ってほしいと伝えたところ、受付担当者に罵声を浴びさせてきたため、男性スタッフ数人で院外にお連れし、その場はお帰りいただいた」など、禁止行為とそれに対する対応までしっかりと記載しましょう。実際にペイハラがあった場合にどのように対応しているかをイメージしやすく、患者さんの安心につながります。

 

医療スタッフから募集したペイハラ川柳を掲載する

ペイハラに遭遇した医療スタッフの出来事や気持ちなどを川柳に乗せて伝える企画です。「怒鳴り声 カルテ書く手も 震えてくる」のような、読み手の同情を誘うような川柳を掲載することで、医療スタッフの苦悩を柔らかく伝えることができます。広報誌の読者はもちろん、医師や看護師、病院スタッフなどからも幅広く募集し、読者に優秀作品を選んでいただく企画にすると、投票結果を知るために次号も手に取っていただける確率が上がります。

 

ペイハラのリスクを軽減させることが、自院の医療スタッフが安心して働ける環境づくりにつながります。病院院内で働くスタッフだけではなく、来院した患者さんも気持ち良く過ごせるよう、広報誌を効果的に使って、ペイハラゼロを目指しましょう。