BLOG 『広報誌づくりの困った!を解決』

患者さんやご家族に向けた病院広報誌で、各診療科の特集を組み、体制や取り組み、過去の症例、治療法について取り上げたときに、誌面が文章ばかりになっていたり、さらには専門用語を多用しすぎていませんか。

普段貴院で使われている用語をそのまま並べてしまうと、一般の患者さんやご家族が読んだときに「専門的すぎて読むのが困難…」「内容が難しすぎて理解できない…」と思われてしまいます。医療従事者以外の方がメイン読者であることを意識して、改めて企画内容や紹介の仕方を考えてみましょう。

今回は、患者さんに読んでもらえるような企画案と、紹介の仕方をお伝えします。

 

キャラクターを立てて医師にインタビュー

架空の子どもや動物のキャラクターがインタビュアーとなって、医師に病気やその予防方法、治療についてインタビューするという企画です。お子さまでも読めるように分かりやすく構成し、誰が読んでも理解できるように表現方法を工夫しましょう。

 

原稿例


 

キャラクター「“伝染性紅斑でんせんせいこうはん”はかかるとどんな症状が出るの?」

医師「伝染性紅斑でんせんせいこうはんは幼児から中学生にかけてなりやすい病気で、ほっぺたが真っ赤になることから“リンゴ病”とも呼ばれているよ。風邪の症状が出てから頬に蝶の羽みたいな発しんが現れて、全身に網目状の発しんが1週間広がるんだ」

キャラクター「ならないようにするためにはどうしたらいいの?」

医師「予防するワクチンはないんだ。感染した人の咳を吸い込んだり、伝染性紅斑でんせんせいこうはんの人と接触すると感染してしまうから、風邪を引いている人とは距離を置くようにしよう」

キャラクター「大人もかかることがあるのかな?」

医師「大人も感染することがあって、同じように風邪や発しんの症状が出る他に関節痛や頭痛などの症状が出ることもあるよ。でもほとんどは合併症もなく自然に回復するから安心してね」


伝染性紅斑でんせんせいこうはんを発症しているお子さまのイラストを大きく掲載して視覚化することも手です。

 

 

文章の導入部分を図表にまとめる

ある病気について伝えるときに、それは深刻な病気なのか、何科にかかるべきか、いつ病院にかかるべきかなどを説明し、必要に応じて受診を促すことも必要です。すべてを文章にしてしまうと、文が長くなり言いたいことが伝わりづらくなります。導入部分は図表などにして掲載すると、説明が一気に分かりやすくなるためおすすめです。例えば、「〇〇の症状があるときは病院に行きましょう」ということが伝えたいときに、文章とフローチャートの図表とで、どちらがより分かりやすいかを比べてみましょう。

 

文章の場合

「〇〇〇(病気の名前)は、△△△の□□によって起きる病気です。…(病気の説明)、☆☆、★★の症状がある場合は▲▲科にて受診をおすすめします。☆☆のみ感じる場合は自宅で経過観察しましょう」

 

図表でまとめた場合

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

文章でも、かみ砕いた言葉にしたり、簡潔にするなど工夫はできますが、図表を使えば複数の情報を感覚的に理解できます。文章と図表を上手く使いこなして、読者に分かりやすく見やすい誌面を目指しましょう。

 

企画内容やページの構成、表現方法を工夫するだけで、病院に親しみを感じてもらえる広報誌に近づきます。「この病院なら行っても大丈夫そう」「信頼できる」と思ってもらえるように、少しでも分かりやすく工夫することを意識して制作してみましょう!