病院広報誌の誌面を通じて、病院が読者に抱いてほしいイメージを伝えようとする際、写真は重要な役割を果たします。
写真は誌面を開いた際に目に留まりやすいため、文章よりも強い印象を与えることができます。テキスト量を極力抑え、高いクオリティの写真を中心に構成する病院広報誌もあるほど、写真は重要な要素です。
ここでは、どんな写真であれば病院のイメージアップにつながるのかをお伝えします。
・医師の紹介写真は、読者が受ける印象を意識
医師の紹介記事を掲載するとき、あいさつ文の横に顔写真を掲載するというケースは多いですが、ビジュアル要素が証明写真のようにかしこまった顔写真のみでは、読者の印象を良くすることは難しいかもしれません。読者に親しみを感じてもらいたいなら、その写真をまずは変えてみましょう。
たとえば、写真の表情を笑顔にするだけでも良い印象を与えることができます。さらには、無機質な壁をバックにするのではなく、明るく奥行きのある場所を背景にして、口角を上げてにっこり笑った写真にすれば、さらに良い印象になります。
内容によっては、カンファレンスなどで多職種のスタッフと真剣に話し合っているシーンや、入院患者にほほ笑みかけ、優しく語りかけているシーンなど、現場の空気感が伝わる写真をあわせて掲載することを提案します。医療スタッフがそれぞれの仕事に真摯に取り組んでいる姿には、見る人の心を動かす力があります。また、専門性の高い業務に携わっているということも伝えることができれば、読者に安心と信頼を強く印象付けることができるでしょう。
そのような写真を使用する際は、撮影可能かどうかを事前に撮影対象者へ確認し、了承を取ってから撮影させてもらうことを忘れないようにしましょう。
なお、せっかく良い写真が撮れたなら、なるべく大きく配置できるようにレイアウトを工夫しましょう。たとえば「医師の紹介」として1ページ使用する場合、思い切ってその半分(2分の1ページ)ほどのスペースを写真にしてみてはどうでしょう。読者の注目を集めやすくなります。
・イベント報告では、参加者のリアルな表情が効果的
イベント報告では、会場を広くとらえた構図で多くの参加者を写している写真を多用しているケースがあります。会場の全体感は伝わるかもしれませんが、演者や参加者の表情が見えないため、読者は共感しづらいというデメリットがあります。
そこで、参加者の方にも掲載許可をいただいた上で、表情にフォーカスした写真を撮影し、掲載することも検討を。参加者の笑顔をとらえた写真があれば、イベントがより魅力的に伝わります。
参加者が生き生きと楽しそうにしていたり、勉強になる、ためになると感じていたりすることが写真からリアリティをもって伝われば、病院のイメージアップにつながります。
病院広報誌の制作で、掲載する写真にあまり多くの時間や労力、コストをかけるのは厳しいという現状があるかもしれません。しかし、写真の撮り方やその載せ方に少し工夫を加えるだけでも、読者に与えるイメージはぐっと良くなります。良い印象をもってもらうために、写真にもこだわっていきましょう!