病院広報誌や採用パンフレット等で必ず登場する、院長や医療従事者たちの顔写真。病院の顔ともなる大事な1枚になりますが、その写真…対象者や用途によって使い分けができていますか?
例えば、病院広報誌やホームページの読者は主に患者様です。どこの病院にしようかと考えたときに、医療体制はもちろん、どんな医師たちがいるのか、写真を見て判断する方も方は多いはず。第一印象となる顔写真には「話をしっかり聞いてくれそうか」「優しく接してくれそうか」など、親しみやすさや安心感を感じられるかどうかが大きなポイントとなります。
今回は、ポートレート撮影をする際に必要な基本的な知識を振り返り、掲載物に適した写真になっているか見直していきましょう。
基本1 清潔感と親しみやすさを演出
医療の場では常に清潔感が求められますが、感じ方は人それぞれ。実際には、白衣がきれいかどうかだけではなく、髪の毛や爪など細かなところまで見る方もいます。
掲載されている写真は、衣服や髪の乱れ、名札紐のズレ、乱雑にペンが胸元に刺さっていたりしていませんか?撮影前に一度確認し、不要なものは外して身だしなみを整えてもらいましょう。また「親しみやすさ」を出すためには、表情も重要です。無表情ではなく、口角を上げた笑顔の写真にするだけで親近感を演出することができます。笑顔には、人を引き寄せて緊張を和らげる効果があります。撮影中は雑談や深呼吸を促し、リラックスしてもらうことを心がけましょう。
基本2 「腕組み」や「腰に手」を置いていませんか?
腕組みや腰に手を当てた姿は、背筋が伸びて姿勢がよく見えたり、自信があるようには見えますが、対象者によってはマイナスなイメージになりかねません。ポージング1つで、相手が受ける印象をコントロールできます。特別な意図がない限りは手を前に組み、柔和な印象となるポーズにしましょう。
基本3 串刺し・目刺し・首切りなどとなる背景にも要注意
撮影は院内などの明るい場所で行っていると思いますが、NGな構図があることは知っていますか? 背景の写りこみによっては、「串刺し」「目刺し」「首切り」といった縁起が悪いことを連想させる構図になってしまうので、気をつけなければいけません。院内の屋内で撮る場合は窓枠や柱、屋外は樹木などが要注意です。乱雑した雰囲気や個人情報の写り込みだけではなく、構図も意識して撮影しましょう。
NG構図(上から)
・串刺し:頭の上に縦の線
・目刺し:目の位置に横切る線
・首切り:首の位置に横切る線
大切なのは、“見る人にどんな印象を与えたいか”です。同じ写真をさまざまな媒体で使い回すのではなく、用途に合ったポートレートになっているかを定期的に見直し、信頼感の向上や集患へとつなげていきましょう。